Ubuntu MATE 19.04の新機能と変更点
リリースノートから「Ubuntu MATE 19.04」の新機能と変更点を紹介します。1.サポート期間
「Ubuntu MATE 19.04」のサポート期間はリリースされてから9ヶ月であり、2020年1月までサポートされます。2.MATE
「Ubuntu MATE 19.04」はデスクトップ環境に「MATE 1.20」を採用しています。また「MATE 1.22」から新機能の取り込みも行っています。
「Ubuntu MATE 19.04」で「MATE 1.22」を採用しなかった理由は、安定性の確保のためです。
「MATE 1.22」はコアコンポーネントでAPIの変更が行われています。
「MATE」が提供するアプリケーションはこの変更に追従し安定性が確認されていますが、サードパーティー製のアプリケーションで本対応が不十分なアプリケーションがあり、それらのアプリケーションではクラッシュを引き起こします。
これらの対応は「Ubuntu MATE 19.04」のリリースまでに間に合わなかったため、「Ubuntu MATE 19.04」では「MATE 1.20」に留まることになりました。
「MATE 1.22」は次期バージョンの「Ubuntu MATE 19.10」で採用される予定です。
3.NVIDIA GPU/ドライバーのサポート改善
「Ubuntu MATE 18.10」では、「Linux kernel」、ファームウェア、「Mesa」及び「Vulkan」のアップデートにより、「AMD GPU」に十分なサポートが提供されるようになりました。加えて「Ubuntu MATE 19.04」では、さらにそのサポートが洗練されました。
そして「Ubuntu MATE 19.04」では「NVIDIA GPU」のサポートも改善され、「Ubuntu MATE 19.04」をインストールするだけで「NVIDIA GPU」の優れたUXを受けられるようになりました。
「Ubuntu MATE 19.04」インストール時に「グラフィックスとWi-Fiハードウェアと追加のメディアフォーマットのサードパーティー製ソフトウェアをインストールする」を有効にしてインストールするだけで、NVIDIAプロプライエタリードライバーがインストールされるようになりました。
OSインストール後にNVIDIAプロプライエタリードライバーがインストールされ、設定が行われます。
この状況を確認するには、「端末」で「nvidia-smi」 を実行します。
nvidia-smi
ノートPCがハイブリッドグラフィックスをサポートしているなら、「MATE Optimus hybrid graphics」アプレットがパネルに表示されます。
4.MATE Dock Applet
「MATE Dock Applet」は「MATE Dock Applet 0.88」にアップデートされました。「Unity」の見た目に基づく新しい外観の設定が追加されました。
5.Remote Desktop Awareness(RDA)
「MATE」は「RDA」により、リモートデスクトップセッションと通常のローカルセッションの違いを意識した振る舞いが行えるようになりました。リモート接続のサスペンドや「Caja」でフォルダーの共有のサポート、SSHFS共有でMIMEタイプのバインディング、MATEスクリーンセーバーからセッションのサスペンドを行えるようになりました。
6.アプリケーション
各種アプリケーションがアップデートされています。- MATE Desktop 1.20.4由来のアプリ
- Linux kernel 5.0.0
- Firefox 66.0.3
- VLC 3.0.6
- LibreOffice 6.2.2.2
- Thunderbird 60.6.1
既知の問題
既知の問題です。1.OEMインストール時にスライドショーが表示されない
OEMインストール時にスライドショーが表示されません。この問題を回避するには、OEMの準備セッションで以下のコマンドを実行してください。
apt install oem-config-slideshow-ubuntu-mate