KDE Plasma 5.21の新機能と変更点
2021年2月16日、「Plasma 5.21」がリリースされました。デザインやUXが改良されています。
動画で見るKDE Plasma 5.21
「KDE Plasma 5.21」の紹介動画は、以下を参照してください。新しいアプリケーションランチャー
アプリケーションランチャーが新しくなりました。アプリケーションの検索や起動したいアプリケーションへの到達がもっと高速にそして簡単になりました。
新しいランチャーでは2つのペイン(領域)を配置し、マウスやキーボード、タッチ入力、そしてアクセシビリティーによる操作性を全体的に向上させ、アプリケーション容易に検索できるようになっています。
またすべてのアプリケーションをアルファベット順に表示する「All Applications(すべてのアプリケーション)」ビューや、お気に入りのアプリを表示するビューも利用可能です。
ランチャー下部にはスリープや再起動など電源関連のアクションボタンが配置されています。
アプリケーションテーマの改善
デフォルトのアプリケーションテーマが改善されました。カラースキームやヘッダーバーのスタイルが調整され、ルックアンドフィールが洗練されました。
Breeze Twilight
「Plasma」にダーク系の色調を設定しアプリケーションにはライト系の色調を設定する「Breeze Twilight」テーマを利用可能です。「Breeze Twilight」テーマはグローバルテーマの設定画面から選択可能です。
システムモニター
システムモニターのデザインが刷新されました。Overview
「Overview」ページでは、メモリーやディスク容量、ネットワーク及びCPUの使用状況など重要なコアリソースの情報が表示されます。またシステムリソースを多く消費しているアプリケーションを一覧表示するクイックビューも備えています。
このビューからアプリケーションやプロセスを特定し、終了することも可能です。
Applications
「Applications」ページでは、現在実行しているすべてのアプリケーションが表示されます。また各アプリケーションの詳細な統計情報を表示したり、リソースの使用状況をグラフで表示できます。
Process
「Process」ページでは、プロセスごとの情報が表示されます。History
「History」ページでは、システムリソースの使用履歴がグラフで表示されます。カスタムページ
カスタムページはユーザーが表示したい情報でページを作成する機能です。ページエディターを利用して簡単にカスタムページを作成できます。
KWinとWaylandの改善
「KWin」のコンポジターの実装が見直され、すべてのコンポジター操作において遅延が軽減されています。コンポジティング設定の追加
またコンポジティングの設定画面に遅延の軽減を優先するかスムーズなアニメーションを優先するか設定を行うコントロールが追加されました。異なるリフレッシュレートの設定
各ディスプレイに異なるリフレッシュレートを設定できるようになりました。例えばあるディスプレイのリフレッシュレートを144Hzに設定し、もう一つのディスプレイのリフレッシュレートを60Hzに設定可能です。
これによりマルチモニター環境のUXが向上します。
マルチGPUのPreliminaryサポート
マルチGPUのPreliminaryサポートも追加されました。その他の改善
仮想キーボードのサポートが改善されました。「text-input-v3」プロトコルを使用するGTKアプリケーションがサポートされました。
グラフィックタブレットのサポートが改善され、パッドリングやパッドボタン等のコントロールもサポートされました。
「KRunner」では「Wayland」で開いているアプリのウィンドウ一覧を列挙できるようになりました。
パネルのシステムトレイでは、キーボードレイアウトをユーザーに通知するコンポーネントが追加されました。
「GTK 4」アプリケーションがサポートされました。
システム設定
システム設定の改善点です。Firewall
ファイアウォールの設定画面が追加されました。ファイアウォールの設定画面では、「Linux」で幅広く利用されている「UFW」と「firewalld」に対応し、双方の設定が可能です。
実装の見直し
「Accessibility」、「Desktop Session」、「SDDM」の設定画面の実装が見直され、使い勝手が向上しています。Media Playerウィジェット
アプレットの「Media Player」ウィジェットではレイアウトが改善され、現在音楽を再生中のアプリの一覧がヘッダー内にタブバーとして表示されるようになりました。またアルバムのカバーがウィジェットの横幅に合わせて表示されるようになりました。
その他の改善
その他の改善です。「Discover」がバックグラウンドで自動的にアップデートする「Unattended update」に対応しました。
「KRunner」が自動的に閉じないようにピン留できるようになりました。
「Digital Clock」ではタイムゾーンのサポートが改善されました。