Linux Mint 20.2 Cinnamon Editionの新機能と変更点
リリースノートから「Linux Mint 20.2 Cinnamon Edition」の新機能と変更点を紹介します。Linux Mint 20.2全般の新機能と変更点について
ここでは「Linux Mint 20.2 Cinnamon Edition」固有の新機能と変更点を紹介します。リリース情報や他のEditionと共通する新機能と変更点は、以下を参照してください。
アップデートマネージャー
「アップデートマネージャー」はソフトウェアのアップデートを管理するアプリケーションです。Cinnamonスパイスのアップデートに対応
「アップデートマネージャー」が「Cinnamonスパイス」のアップデートに対応しました。「Cinnamonスパイス」とは「Cinnamon」環境を拡張するソフトウェアであり、以下のソフトウェアが「Cinnamonスパイス」に該当します。
- アプレット
- デスクレット
- 拡張機能
- テーマ
「Cinnamonスパイス」はAPT経由で提供されているソフトウェアとは異なる仕組みで提供されていますが、ユーザーは「アップデートマネージャー」からその違いを意識せずにAPT経由で提供されているソフトウェアと同様の操作方法で「Cinnamonスパイス」をアップデートできます。
「アップデートマネージャー」上に表示される「Cinnamonスパイス」のアップデート情報は、今まで「Cinnamonスパイス」のアップデート画面で表示されていた情報と同様の情報が表示されるようになっており、また特定のバージョンを拒否するといった従来の機能も引き続き機能します。
Cinnamonスパイスの自動アップデート
「Cinnamonスパイス」の自動アップデートに対応しました。「Cinnamonスパイス」の自動アップデートは、ユーザーのログイン後に自動的に「Cinnamonスパイス」をアップデートする機能です。
またアップデートがあればアップデート実行後に「Cinnamon」を再起動し、アップデートされた「Cinnamonスパイス」を「Cinnamon」に反映します。
加えてアップデート完了後にアップデートされた「Cinnamonスパイス」の情報が通知で表示されます。
Cinnamon 5.0
「Cinnamon 5.0」に関する変更点です。Cinnamonのパフォーマンスとメモリー使用量の改善
「Cinnamon」で発生する5件のメモリーリークの不具合が修正され、「Cinnamon」がメモリーを多く消費していた機能が見直され、メモリーの使用量が削減されました。また「Alt + Tab」キーによるアプリケーションの切り替えが高速化されました。
Cinnamonのメモリー使用量の制限
システム設定から「Cinnamon」が利用可能なメモリーの最大値を指定できるようになりました。もし「Cinnamon」が利用可能なメモリーの最大値に到達した場合、「Cinnamon」は再起動します。
「Cinnamon」の再起動には約1秒程度かかり、その間「Cinnamon」は無反応になりますが、「Cinnamon」が再起動してもアプリのウィンドウやセッションは維持されます。
Cinnamon screensaverデーモンの改善
今まで「Cinnamon screensaverデーモン」はバックグランドで常に起動されていました。「Cinnamon 5.0」ではスクリーンセーバー実行時に必要に応じて「Cinnamon screensaverデーモン」が起動されるようになりました。
これにより20MBから最大数100MBのメモリー使用量を削減できるようになりました。
アプレットの改善
メニューアプレットは自然なサイズで表示されるようになり、ホバーではなくクリックでカテゴリーを切り替えられるようになりました。サウンドアプレットはツールチップ内にプレーヤーやステータス、アーティスト情報を表示できるようになりました。
その他の改善
ロック画面ではスクリーンセーバーがクラッシュしてもロック機能が継続されるようにスクリーンセーバーの起動方法が改善されました。
電源の状態変化の検出精度が向上し、バッテリー残量の報告精度が改善されました。
「システム設定」で「orca」のサポートが改善されました。
また「IPV6 DNS」が表示されるようになりました。
Nemo
「Nemo」は「Cinnamon」のデフォルトのファイルマネージャーです。コンテンツサーチに対応
「Nemo」がコンテンツサーチに対応しました。ファイルの検索条件にファイル名に加え、ファイルの内容も指定できるようになりました。
また正規表現による検索やフォルダーを再帰的に検索する機能にも対応しています。
その他Nemoの改善
デュアルペインモードでは、「F6」キーでペインの切り替えが可能です。お気に入りのファイルを他のファイルよりも優先的に列挙(並び替え)する新しいオプションが設定画面に追加されました。
スパイスの管理
スパイス管理に関する変更点です。CLI/Python 3モジュールの提供
スパイスのアップデートの実行するCLI(コマンドラインツール)とPython 3モジュールが提供されるようになりました。CLIは「cinnamon-spice-updater」です。
「cinnamon-spice-updater」を実行するとアップデート可能なスパイスを列挙し、それらのスパイスをアップデートできます。
Python 3モジュールを利用すると、「Linux Mint 20.2」のアップデートマネージャーで実装したようなスパイスのアップデート機能をソフトウェアに組み込むことができます。
表示するスパイス情報の改善
テーマを除くスパイスでは、今まで同一スパイスであっても「管理」と「ダウンロード」で異なる情報が表示されていました。これらの画面で適切に翻訳された情報が表示されることと、そのスパイスがインストールされているかどうかに関わらずすべてのスパイスで同一の名称、アイコン、そして説明が表示されるように改善されました。
またスパイス作成者の名前やスパイスのIDといった追加情報が表示されるようになりました。