Linux Mint 20.2の既知の問題とトラブルシューティング
リリースノートから「Linux Mint 20.2」の既知の問題とトラブルシューティングを紹介します。Linux Mint 20.2の新機能と変更点について
リリース情報や新機能と変更点は、以下を参照してください。ドキュメント
「Linux Mint 20.2」インストールガイドやユーザーガイド等の公式ドキュメントは、以下を参照してください。Snap(Snap Store)を有効にするには
「Linux Mint 20」で「Snap(Snap Store)」は無効になっています。「Snap(Snap Store)」を利用するには、以下を参考にしてください。
Virtualbox
「Linux Mint」を「Virtualbox」にインストールする際の注意事項です。起動時に画面が真っ黒になる時は
「Virtualbox」で「Linux Mint」を起動すると画面が真っ黒になる場合は、仮想マシンの設定画面を開き、「ディスプレイ」の「グラフィックコントローラー」の設定を「VMSVGA」に変更してください。起動時に画面が崩れる場合は
「Virtualbox」で「Linux Mint」を起動すると画面が崩れる場合は、「HOST + F1」キーを押してコンソールに切り替えた後、再度「HOST + F7」キーを押して元の画面に戻ってください。「ホストキー」は通常「右Ctrl」キーに割り当てられています。
もう一つの回避策
もう一つの方法は、ネステッドページングを無効化することです。仮想マシンの設定を開き、「システム」の「アクセラレーション」タブで「ネステッドページングの有効化」チェックをオフにします。
また「ディスプレイ」の設定から、ビデオメモリーの割り当てを「128MB」に設定します。
補足
この問題はライブUSBなどライブセッションで起動した「Linux Mint」で発生し得る問題です。仮想マシンにインストールした後の「Linux Mint」では、ここで紹介する回避策は必要ありません。
Virtualbox Guest Additionsのインストールを
「Virtualbox」の仮想マシンに「Linux Mint」をインストールした場合、共有フォルダーやホスト・ゲスト間のドラッグ&ドロップ、描画パフォーマンスの向上や適切な解像度のサポートを得るために「Virtualbox Guest Additions」をインストールしておきましょう。「Virtualbox Guest Additions」のインストール方法は、以下を参照してください。
ホームフォルダーの暗号化
ホームフォルダーの暗号化は、ディスク全体の暗号化よりもパフォーマンスが低下します。ユーザーがログイン及びログアウトする時に暗号化されたホームフォルダー(ディレクトリー)をマウント及びアンマウントしますが、この時「systemd」への移行により「ecrypts」でリグレッションが発生しており、パフォーマンスが低下しています。
この問題のため「Linux Mint 20」以降では、暗号化されたホームフォルダーはユーザーのログアウト時にアンマウントされません。
ゲストセッション
ゲストセッションはデフォルトで無効化されています。ゲストセッションを有効にするには、ログイン画面の設定でゲストセッションを有効にしてください。
タッチパッドの動作がおかしい時は
すべてのエディションでデフォルトのタッチパッドドライバーに「xserver-xorg-input-libinput」パッケージから提供される「libinput」を採用しています。synapticsも利用可能
もしタッチパッドの操作で問題が発生した場合は、「xserver-xorg-input-synaptics」パッケージから提供される「synaptics」に切り替えることも可能です。「libinput」と「synaptics」の両方がインストールされている場合、「synaptics」が優先されます。
現在のタッチパッドドライバーを調べるには
現在のタッチパッドドライバーを調べるには、以下のコマンドを実行します。
grep -i "Using input driver" /var/log/Xorg.0.log
入力デバイスで使用されているタッチパッドドライバーが出力されます。
libinputからsynapticsに切り替えるには
デフォルトのタッチパッドドライバーを「libinput」から「synaptics」に切り替えるには、以下のコマンドを実行します。
apt install xserver-xorg-input-synaptics
コマンド実行後、ログインし直すかPCを再起動します。
元に戻すには
デフォルトのタッチパッドドライバーを「libinput」に戻すには、以下のコマンドを実行します。
apt remove xserver-xorg-input-synaptics
コマンド実行後、ログインし直すかPCを再起動します。
もう一つの選択肢、evdevドライバー
もう一つの選択肢である「evdev」ドライバーをインストールしてみることも可能です。「evdev」ドライバーは「xserver-xorg-input-evdev」パッケージから提供されます。
Wine
「Wine」を簡単にインストールできるようになっています。「Wine」をインストールするには、「端末」で以下のコマンドを実行します。
apt install wine-installer
また「wine-desktop-files」もインストールされ、ランチャーメニューに「regedit」及び「C:\ドライブ」、その他アップストリームで不足している各種メニューエントリーが追加されます。
サウンド及びマイクに関する問題
サウンド出力やマイクに関する問題に直面した時は、「pavucontrol」をインストールしてください。「pavucontrol」をインストールするとランチャーに「PulseAudio Volume Control」が追加されます。
「PulseAudio Volume Control」はデフォルトで搭載している音量調整よりも、高度な設定が可能です。
「PulseAudio Volume Control」で設定を調整し、問題の解決を試みてください。
VLCでDVDドライブが見つからない時は
「VLC」で「DVD」が見つからない場合は、「メディア」メニューから「ディスクを開く」を選択し、ディスクデバイスに「/dev/sr0」を指定してください。その他の問題
「Linux Mint 20.2」は「Ubuntu 20.04 LTS」をベースに構築されているため、「Ubuntu 20.04 LTS」の情報も参照してください。ライブセッションのユーザー名とパスワード
ライブセッションとは、ライブUSBやライブDVDから起動した「Linux Mint」のことです。ライブセッションのユーザー名は「mint」です。
パスワードはありません。
パスワードを求められたら何も入力せずに「エンター」キーを押してください。
ウィンドウが画面からはみ出した時は
アプリのウィンドウが画面からはみ出し操作できない場合は、「Alt」キーを押しながらウィンドウの任意の部分をマウスでドラッグ&ドロップしてください。これで画面からはみ出したアプリのウィンドウを任意の位置に移動できます。
マルチメディアコーデックをオフラインでインストールするには
マルチメディアコーデックをオフラインでインストールする方法です。1.Linux Mintの起動
インターネットに接続可能なPCでライブUSBやライブDVDから「Linux Mint」を起動します。2.パッケージのダウンロード
「端末」を起動して以下のコマンドを実行し、パッケージをダウンロードします。
apt download mint-meta-codecs
3.パッケージ及びアーカイブの取得
「2.」の実行が完了すると、パッケージ及び「mint-meta-codecs.tgz」アーカイブを取得できるので、これらのファイルをUSBメモリー等にコピーしておきます。4.オフラインのPCでインストール
オフラインのPCを起動し、取得したアーカイブを展開します。その中にある「install.sh」を「端末」から実行します。
あるいは以下のコマンドでパッケージを纏めてインストールします。
sudo dpkg -i *.deb
起動時にフリーズする場合は
一部のGPUは「Linux Mint」が標準で同梱しているオープンソースドライバーとの組み合わせでうまく動作しなことがあります。ライブセッション起動時
「Linux Mint」起動時にPCがフリーズする場合は、ブートメニューで「Compatibility Mode」を選択して起動してください。Linux Mintインストール後
そして「Linux Mint」インストール後にブートメニューが表示されるので、以下のように「nomodeset」ブートオプションを指定します。NVIDIA製GPUを搭載している場合
NVIDIA製GPUを搭載している場合、インストール済みの「Linux Mint」を起動した後、以下の手順でNVIDIAドライバーをインストールしてください。- ドライバーマネージャーを起動する
- NVIDIAドライバーをインストールする
- PCを再起動する
これで「nomodeset」オプションを指定する必要がなくなります。
それでも起動時にフリーズする場合は
上記の対応でも起動時にフリーズする場合は、以下のいずれかの方法を試してみてください。- 「nomodeset」の代わりに「nouveau.noaccel=1」ブートオプションを指定して起動する
- ブートオプションから「quiet splash」を削除し、代わりに「noapic noacpi nosplash irqpoll」ブートオプションを指定して起動する
- インストール後ブートメニューで「Advanced Options」を選択し「Recovery mode」で起動する。その後「resume」を選択して起動する