debパッケージの圧縮形式にZstdを採用
「Ubuntu 21.10」が提供するdebパッケージでは、デフォルトの圧縮形式に「Zstd(Zstandard)」が採用されます。パッケージと圧縮形式
debパッケージは圧縮されたアーカイブであり、このアーカイブの中にインストールに必要なファイル群が収められています。debパッケージのインストールでは圧縮されたアーカイブを展開し、ユーザーの環境にdebパッケージの中身を配置します。
つまりdebパッケージは圧縮されたアーカイブであるため、パッケージのインストールを実行する「dpkg」がその圧縮形式に対応している必要があります。
APTやdpkgがZstdに対応
「APT」や「dpkg」は「Ubuntu 18.04 LTS」で「Zstd」に対応しました。そして「Ubuntu 18.10」でパッケージの圧縮形式を「Zstd」に変更する計画がありましたが、その計画は持ち越され「Ubuntu 21.10」で実現されることになりました。
またその他多くのパッケージが「Zstd」をサポートするようになり、読み込み専用の圧縮機能も「Ubuntu 16.04 LTS」にバックポートされています。
パフォーマンスの向上
「Zstd」は「xz」や「gzip」よりもアーカイブの展開速度が速く、すべての圧縮レベルにおいて処理速度及びメモリー使用量の点でおおむね良い結果を示しています。これによりユーザーは、debパッケージのインストールやアップデート時に従来よりも処理に掛かる時間を削減できます。