/bootに割り当てるパーティションサイズの拡大要望
以下で「/boot」に割り当てるパーティションサイズを拡大して欲しいとの要望があげられています。この要望上げた方は「Kubuntu」のプリインストールノートPCを展開する「Kubuntu Focus」の方です。
LVM利用時に/bootパーティションが作成される
「Ubuntu Desktop」のインストーラーではユーザーがボリュームの暗号化を指定した場合、「LVM(Logical Volume Manager/論理ボリュームマネージャー)」を利用して「Ubuntu Desktop」をインストールします。「LVM」を利用して「Ubuntu Desktop」をインストールすると、「/(ルートパーティション)」とは別に「/boot」パーティションが作成され、そこに「Ubuntu」の起動に必要なファイル群が配置されます。
例えば「Linux kernel」は「/boot」パーティションに配置されます。
この時「/boot」パーティションは、予めインストーラーで決められたサイズで作成されます。
2GBに増やしたい
要望では「/boot」に割り当てるパーティションサイズを2GBに増やしたいとのことです。空き領域が足りなくなる
「/boot」に割り当てるパーティションサイズを増やしたいということは、現状のままだと「/boot」の空き容量が足りなくなるケースが想定されているということです。提案者によると、複数の「Linux kernel」のフレーバーを利用するユーザー環境において、空き容量が足りなくなるケースが想定されています。
より分かりやすくまとめられた内容は、以下を参照してください。
Linux kernelのフレーバー
フレーバーというと「Kubuntu」や「Xubuntu」といった「Ubuntu」のフレーバーを想像しがちですが、「Linux kernel」にもフレーバーがあります。「Linux kernel」のフレーバーとは「Linux kernel」の種類のことです。
「Ubuntu」は特定のプラットフォームや特定の利用用途に応じて、複数の「Linux kernel」の種類を提供しています。
例えばごく一般的なPCでは「generic」カーネルが使用されています。
他にも省電力と引き換えに低遅延を実現した「lowlatency」カーネル、特定のクラウドプラットフォーム向けに最適化した様々なカーネルが提供されています。
Ubuntu 20.04.4 LTSでは最大1.5GBに増える
本件とは少し話がずれますが、今後リリースされる「Ubuntu 20.04.4 LTS」では「/boot」パーティションサイズの最大値が1.5GBに増えます。partman-auto (134ubuntu13.1) focal; urgency=medium
* Bump minimum and maximum sizes for /boot partitions on default, x86, and
EFI platforms to a minimum of 768Mb and maximum of 1536Mb. (LP: #1959971)
* Bump minimum and maximum sizes for /boot partitions on default, x86, and
EFI platforms to a minimum of 768Mb and maximum of 1536Mb. (LP: #1959971)
従来のサイズ計算では「initramfs」に追加される「nvidia」モジュールといった追加モジュールの分が十分に配慮されておらず、また「Ubuntu 22.04 LTS」では少しサイズが大きくなるため、これに配慮した変更となります。
PackageKitの不具合も絡む
「Ubuntu」には古くなった「Linux kernel」を自動削除する機能があります。しかし「Kubuntu」の「Discover」がバックエンドに使用している「PackageKit」に不具合があり、この自動削除が有効に機能しないとのことです。
この不具合はアップストリームで修正されましたが、「Kubuntu 22.04 LTS」に間に合うかどうか分かりません。
この状況に対し「PackageKit」に修正パッチを適用し、「Kubuntu 22.04 LTS」に間に合わせる方法も提案されています。