Ubuntu Desktopの開発状況と取り組み
2023年12月11日、Ubuntu Desktop開発チームは以下で「Ubuntu Desktop」の開発状況と取り組みを紹介しています。いくつかピックアップします。
WSL
「WSL」は「Windows」上でLinuxバイナリーを実行する仕組みです。1. Ubuntu 22.04.3 LTSが利用可能に
「WSL」向けに「Ubuntu 22.04.3 LTS」のイメージがリリースされました。これにより「Windows」で「Ubuntu 22.04.3 LTS」を利用したいユーザーは、以前のバージョンから「Ubuntu 22.04.3 LTS」へアップグレードする方法に加え、直接「Ubuntu 22.04.3 LTS」をインストールする方法も利用できるようになりました。
2. Ubuntu 24.04 LTSプレビュービルド
Previewチャンネルで「Ubuntu 24.04 LTS」のプレビュービルドが登場しました。プレビュービルドでは「WSL」上で動作する「Ubuntu」で「cloud-init」をサポートする作業が進められています。
組織内でWSLユーザーを管理したい時に管理を支援する仕組みとして「cloud-init」を活用できるでしょう。
エンタープライズ
エンタープライズ向けの取り組みです。1. ADSys 0.13.2リリース
証明書の自動登録機能に対応した「ADSys 0.13.2」がリリースされました。また「ADSys」ドキュメントが見直され、従来よりも分かりやすさが向上しています。
2. デスクトップにクラウド認証を
デスクトップに汎用的なクラウド認証ソリューションを提供するための作業が行われています。詳しいことは今後紹介される予定です。
アプリケーション
アプリケーションチームの取り組みです。1. Invertaseの活用とメンバーの強化
アプリケーションチームは「Invertase」を活用し、「Ubuntu」で開発及び採用している「Flutter」アプリの改良作業やリファクタリング作業を行っています。「Ubuntu」ではOSのインストーラーやアプリケーションストアアプリ(App Center)、「Firmware Updater」に「Flutter」を活用しています。
またアプリケーションチームに「Invertase」のチームメンバーであるエキスパートが2名参加することになりました。
2. Firmware Updater
「Firmware Updater」はUEFIファームウェアなどデバイスのファームウェアをアップデートするアプリです。「Firmware Updater」ではテキストの配置位置がトップに揃うように調整されました。
またプライマリーボタン(主ボタン)がアクセントカラーの設定に関わらず常に緑色でカラーリングされるようになりました。
3. App Centerの不具合修正
「i386/amd64」アーキテクチャーなどアーキテクチャーが混在したパッケージシステムで、特定のアプリをインストールする時に、デスクトップメタパッケージと互換性がないパッケージがインストールされてしまう不具合が修正されました。- fix(packagekit): check arch compatibility in resolve
- If multiarch is enabled, deb packages for foreign architectures are installed without a warning
4. GTK 4への移行
これら「Flutter」アプリは現状「GTK 3」を利用してUIを生成しています。今後「GTK 4」への移行作業が行われ、「GTK 4」への移行でウィンドウの初期化処理のパフォーマンスが改善される予定です。