Flavor Sync Meeting(2024/1/8)
2024年1月9日、2024年1月8日に開催された「Flavor Sync Meeting」の議事録が公開されました。Flavor Sync Meeting
このミーティングはUbuntuの公式フレーバーのリーダーとCanonicalやコミュニティーのリーダーが集まり、2ヶ月に一度定期的に開催されています。Ubuntuの公式フレーバーはUbuntuの変更に追従していく必要があるため、認識や課題の共有など開発の足並みを揃えるために、このミーティングが開催されています。
いくつかピックアップします。
1. MiriwayとWaylandコンポジター
「Miriway」は、MirベースのWaylandコンポジターです。「Wayland」は「X11」を置き換えるディスプレイサーバーであり、多くのデスクトップ環境で「Wayland」への対応や移行の検討がなされています。
Waylandコンポジターには複数の実装があり、例えば「GNOME」では「Mutter」がWaylandコンポジターの役割を担っており、「KDE Plasma」では「KWin」がWaylandコンポジターの役割を担っています。
他にもWaylandコンポジターの実装があるのですが、「Miriway」はその実装の一つになります。
さて「Lubuntu」の開発者が「LXQt」の「Wayland」に対応にあたり、「KWin」の利用を考えています。
しかし軽量なデスクトップ環境である「LXQt」にとって「KWin」は少し重く、「Miriway」に関心を示しています。
2. 新しいインストーラー
以前紹介したように「Ubuntu Desktop」では新しいインストーラーに移行しました。以前のインストーラー(Ubiquity)は廃止が予定されています。
「Calamares」を採用する一部のフレーバーを除き、各フレーバーも新しいインストーラーへの移行作業や検討を行っています。
すでに新インストーラーへ移行したフレーバーと、現在移行作業を行っているフレーバー間で、情報の共有が行われました。
3. Plasma WidgetがAppArmorにより終了する不具合
「Lubuntu」の開発者がAppArmorによりPlasma Widgetが終了してしまう問題を共有しました。現在修正作業が行われています。
4. Raspberry Pi向けイメージ
フレーバーの「Raspberry Pi」向けイメージの開発に関し、情報共有が行われました。まず「Raspberry Pi」向けイメージでLTS版をリリースするには、それよりも前に2回イメージをリリースして実績を積む必要があるとのことです。
またすでに「Raspberry Pi」向けイメージをリリースしているフレーバーが、「Raspberry Pi」アーキテクチャーを長期サポートするには、難しい問題が発生する可能性があると忠告しました。
加えてダウンロードされる「Raspberry Pi」向けイメージは、80%が最新版のイメージであるとの情報も出しました。
これらを踏まえLTSリリースによる長期サポートは、非常に難しいのではないかとの意見も出されています。