Ubuntu で採用する Linux kernel のバージョン
Ubuntu で採用する Linux kernel の採用方針を紹介します。Ubuntu 24.10 ではどうなる
Ubuntu 24.10 の開発スケジュールと Linux kernel の選択を照らし合わせてみましょう。Ubuntu 24.10 の開発スケジュールは、以下を参照してください。
ちなみに Ubuntu 24.10 では Linux kernel 6.11 が採用される予定です。
1. Feature Freeze
Feature Freeze ではまず、アップストリームの Linux kernel の開発段階が以下のいずれかの開発段階である必要があります。- Open Merge Window
- RC版(リリース候補版)
これらに該当しない Linux kernel は、そもそも採用対象になりません。
Open Merge Window もしくは RC3 までの場合
Ubuntu の Feature Freeze 時にアップストリームの Linux kernel の開発段階が Open Merge Window もしくは RC3 までのリリースだった場合、Unstable Release が適用されます。また Bridge kernel が準備されます。
RC4 から RC6 のリリースだった場合
Ubuntu の Feature Freeze 時にアップストリームの Linux kernel の開発段階が RC4 から RC6 のリリースだった場合、Tight Release が適用されます。また Bridge kernel が準備されます。
RC7 以降のリリースだった場合
Ubuntu の Feature Freeze 時にアップストリームの Linux kernel の開発段階が RC7 以降だった場合、Ubuntu の Kernel Feature Freeze の期限に間に合う Linux kernel であると判断され、Late Release は適用されません。2. Kernel Submission Freeze
Kernel Submission Freeze ではこの日以降、カーネルの主要な機能の実装及び提案は git にコミットされなくなります。また Late Release が適用されている場合、Dependent Component のリリースが先延ばしになる可能性があります。
3. Kernel Feature Freeze
Ubuntu で Kernel Feature Freeze を迎えると、アップストリームの Linux kernel で実装されていないすべての機能の実装は、proposed で導入候補として保留されます。また Late Release が適用されている場合、Dependent Component のリリースが先延ばしになる可能性があります。
4. Beta Freeze / HWE Freeze
Ubuntu でこれらの開発段階を迎えると、この日付を以って採用するカーネルのバージョンが固定されます。この時点でアップストリームの Linux kernel は、RC4 以降のリリース、もしくは安定版をリリース済みである必要があります。
Dependent Component の実装に関しても重要な修正を除き、この時点で実装状態が固定されます。
5. Kernel Freeze
Ubuntu で Kernel Freeze を迎えると、リリース用の Ubuntu 向け Linux kernel が用意されます。6. Final Release
Final Release とは Ubuntu のリリースのことです。7. Kernel Stabilization
Late Release が適用されている場合、Stabilized kernel のリリースに向けて作業が行われます。もちろん Dependent Component も対象であり、Stabilized kernel の準備が整った時に、ユーザーに Stabilized kernel のアップデートが提供されます。