Boot Repair
「Boot Repair」は、OSの起動に関するさまざまな問題を修復するアプリです。Windowsとデュアルブート構成にしたらWindowsやUbuntuのブートマネージャーが起動しなくなった時や、Ubuntuを削除したらWindowsが起動しなくなった、あるいはUSBにUbuntuをインストールしたらUSBメモリをPCに挿入しないとOSが起動できなくなった時など、よくある起動に関する問題を修復してくれるアプリです。
現象例
MBRに有効なブートローダーがインストールされていないと、以下のように「_」が表示され処理が停止します。WindowsでMBRの修復に失敗した例です。
GRUB2が動作するのに必要なファイルが破損している例です。
「grub rescue>」と表示されています。
修復対象はブートローダー
「Boot Repair」は、UbuntuやWindowsなどOSそのものを修復するわけではありません。OSそのものが壊れている場合は、「Boot Repair」は起動の問題を解決することは出来ません。
OSそのものの修復は、各OSから行ってください。
例えばWindowsならセーフモードやインストールDVD(リカバリーDVD)からWindowsを起動し、Windowsを修復することになります。
UbuntuならリカバリーモードやライブメディアからUbuntuを起動し、Ubuntuを修復することになります。
「Boot Repair」は、ブートマネージャーが起動できない問題を解決します。
ブートマネージャーは、Ubuntuなら「GRUB2」ですし、Windows 7なら「bootmgr」です。
簡潔に表現すれば、BIOS環境ならMBRの修復に該当します。
ボタン1クリックで修復してくれる
「Boot Repair」はボタン1クリックで修復してくれる「おすすめの修復」機能が用意されており、また、様々な環境に対応できるよう実装がなされています。とはいえ、どのような環境にも、どのような問題にも完全に対応しているわけではありません。
OSが起動できない問題がブートマネージャーが起動できない問題だったとしても、必ずしも問題を解決できるとは限りません。
ライブメディアから利用できる
PPAを追加する必要がありますが、ライブメディアから起動したUbuntuに「Boot Repair」をインストールし、ブートローダーの修復等を行うことができます。起動できない問題を他人と共有する
起動できない問題が発生した時に、解決方法をフォーラムやメールで質問する機会があるかもしれません。「Boot Repair」では、パーティションやOSのインストール状況を「Ubuntu pastebin」にアップロードし、他人と共有することができます。
「Ubuntu pastebin」にアップロードしたログは一定期間が過ぎると削除されるため、記録として残したい場合は、ログの内容をコピー&ペーストするなりして保存しておく必要があります。
インストール
「Boot Repair」のインストールです。1.PPAの追加
以下のPPAを追加します。すでにこのPPAを追加している場合は、この手順を飛ばしてください。
ppa:yannubuntu/boot-repair
2.Boot Repairのインストール
「Ubuntu ソフトウェアセンター」を起動し、「boot-repair」で検索します。アドオンについて
以下のアドオンが表示されます。「Compression and decompression in the LZMA format - command line utility (lzma)」は、7zアーカイブに対応したコマンドです。
「xz」コマンドで代用できるので、必須ではありません。
「FUSE 用の読み書き可能な NTFS ドライバ」は、NTFSを読み書きするためのソフトウェアです。
こちらは標準でインストールされています。
3.pastebinitのインストール(任意)
「pastebinit」は「Ubuntu pastebin」に「Boot Repair」のログをアップロードする時に使用されるソフトウェアです。情報を共有する時に便利でしょう。
Boot Repairの起動
「Boot Repair」の起動です。メインの画面が表示されるまでに、パーティション構造のチェック等が行われます。
1.Boot Repairの起動
Dashホームから以下のように起動します。2.パスワードの入力
「Boot Repair」は「root」で動作する必要があるため、以下のパスワード入力画面が表示されます。ログインしているユーザーのパスワードを入力します。
3.HDDのチェック
全てのHDDのパーティション構造の調査や、各パーティションにインストールされているOSの調査などが行われます。環境によっては以下のように質問が表示されます。
以下の場合、検出したストレージ(sda)がリムーバブルディスクかどうか尋ねています。
該当するUSBメモリやUSB HDDなど外付けディスクの場合は、「はい」ボタンをクリックします。
この環境では「sda」は内蔵HDDなので、「いいえ」ボタンをクリックします。