スキャナーをネットワークに公開する
「SANE」では、PCに接続されているスキャナーをネットワークに公開する機能を提供しています。スキャナーをネットワークに公開すれば、他のPCからスキャナーを利用できるようになります。
デフォルトではこの機能がオフになっているため、この機能を利用するにはユーザーが設定ファイルを編集する必要があります。
スキャナーの公開は「saned」(SANEネットワークデーモン)によって行われます。
SANEネットワークデーモンを起動する
まずSANEネットワークデーモンが起動するように設定ファイルを編集します。1.編集する設定ファイルについて
編集する設定ファイルは、「/etc/default/saned」です。2.テキストエディターの起動
設定ファイルを編集するため、「root」でテキストエディターを起動します。「端末」を起動し、以下のコマンドを実行します。
sudo -i gedit /etc/default/saned
3.編集箇所の確認
以下のようにテキストエディターが起動し、「/etc/default/saned」ファイルが表示されます。編集箇所は以下の赤線の箇所です。
4.設定を編集する
「RUN=no」を「RUN=yes」に変更します。ファイルを保存してテキストエディターを終了します。
これでUbuntu起動時にSANEネットワークデーモンが起動するようになります。
SANEネットワークデーモンの設定
次にSANEネットワークデーモンの設定を行います。1.編集する設定ファイルについて
編集する設定ファイルは、「/etc/sane.d/saned.conf」です。2.テキストエディターの起動
設定ファイルを編集するため、「root」でテキストエディターを起動します。「端末」を起動し、以下のコマンドを実行します。
sudo -i gedit /etc/sane.d/saned.conf
3.アクセスを許可するPCの設定の確認
以下のようにテキストエディターが起動し、「/etc/sane.d/saned.conf」ファイルが表示されます。アクセスを許可するPCの設定を確認します。
何も記述しないとすべてのアクセスが拒否されます。
アクセスを許可するPCのIPアドレスやホスト名を1行ずつ記述していきます。
IPアドレスで指定する場合、CIDRによる指定が可能です。
また「+」とだけ記述すると、すべてのPCからのアクセスを許可します。
記述例
以下の赤枠内に記述例があります。頭の「#」はコメントなので、実際に記述する時は頭に「#」を付けないでください。
4.アクセスを許可するPCの設定
ここでは例としてIPアドレス(IPv4)でアクセスを許可するPCを設定します。CIDRで指定しています。
この記述の場合、192.168.56.0 〜 192.168.56.255のIPアドレスを持つPCからアクセスを許可します。
以上で設定は完了です。
ファイルを保存してテキストエディターを終了します。
PCを再起動します。