Ubuntu 14.04・Ubuntu 16.04・WSLのパフォーマンス比較
「Phoronix」にて、実機にインストールしたUbuntuと、WSL上でのUbuntuのパフォーマンス比較が行われています。興味深い結果になっています。
テスト環境
テスト環境は、以下の通りです。詳細は、上記リンク先を参照してください。
OSはいずれも64bit版です。
- Ubuntu 14.04.5(WSL)
- Ubuntu 14.04.5
- Ubuntu 16.04.1(WSL)
- Ubuntu 16.04.1
ソフトウェアのバージョンは、以下の通りです。
項目 | Ubuntu 14.04.5 (WSL) |
Ubuntu 14.04.5 | Ubuntu 16.04.1 (WSL) |
Ubuntu 16.04.1 |
---|---|---|---|---|
CPU | Intel Core i5 6600K Skylake |
同左 | 同左 | 同左 |
メモリー | 16GiB | 同左 | 同左 | 同左 |
GPU | CPUの内蔵GPU | 同左 | 同左 | 同左 |
HDD | Toshiba SSD 256GiB |
同左 | 同左 | 同左 |
Linux Kernel | 3.4.0+ | 4.4.0-34-generic | 3.4.0+ | 4.4.0-34-generic |
Unity | ー | Unity 7.2.6 | ー | Unity 7.4.0 |
X Server | ー | X Server 1.18.3 | ー | X Server 1.18.3 |
GPUドライバー | ー | intel 2.99.917 | ー | intel 2.99.917 |
Mesa | ー | 3.3 Mesa 11.2.0 | ー | 3.3 Mesa 11.2.0 |
ベンチマーク結果
ベンチマーク結果です。ディスク(SQLite/Compile Bench)
データベースなどディスクパフォーマンスに焦点を当てたベンチマークでは、実機にインストールしたUbuntuのパフォーマンスがWSLのパフォーマンスを上回っています。特に「Compile Bench」では50倍以上の圧倒的な差がでており、ディスクパフォーマンスは実機にインストールしたUbuntuが、良いパフォーマンスを得られます。
メモリー(Stream)
メモリーのアクセスパフォーマンスでは、パフォーマンスが逆転しています。つまりWSL上のUbuntuが、良いパフォーマンスを得られています。
およそ10%〜16%のパフォーマンス差で、WSL上のUbuntuが良い結果を出しています。
CPU(Dolfyn/Fhourstones/John The Ripper)
CPUのベンチマークでは、ほとんど変わらない、もしくは、わずかに実機にインストールしたUbuntuのパフォーマンスが上回る結果になっています。x264エンコード(x264)
x264エンコードのベンチマーク結果では、約8%のパフォーマンス差で、WSL上のUbuntuが良い結果を出しています。コンパイル(Linux Kernel/PHP)
ソフトウェアのコンパイルにかかる時間をベンチマークにした結果です。いずれの結果でも、およそ倍近いパフォーマンス差で、実機にインストールしたUbuntuのパフォーマンスが上回る結果になっています。
課題はディスクパフォーマンスか
ベンチマーク結果から分かることは、WSLのディスクパフォーマンスは悪いが、それ以外のパフォーマンスは実機に近い、もしくは、実機に匹敵するパフォーマンスを出している、という点です。またメモリーのパフォーマンスは、実機よりも良いパフォーマンスが得られています。
VolFsのパフォーマンスが改善されれば、実機相当の性能をWSLで実現できるようになるでしょう。