Build 14901の変更点
2016/8/11にリリースされたBuild 14901の「WSL」に関する変更点です。今回のリリースは、「Windows 10 Anniversary Update」リリース後の初の「First Insider」向けリリースとなります。
不具合の修正やシステムコールのサポート改善が行われています。
リリースノート
変更点の詳細は、リリースノートを参照してください。機能の追加や改善
Build 14901で行われた機能の追加や改善です。1.インストール時にロケール設定の確認を行うようになった
インストール時にロケール設定の確認を行うようになりました。2.Procfsのnsフォルダーのサポート
Procfsがnsフォルダーをサポートしました。3.マウント・アンマウントをサポートするファイルシステムの追加
以下のファイルシステムのマウント・アンマウントをサポートしました。- tmpfs
- procfs
- sysfs
4.UNIXソケット
- ソケットがディスパッチモデルへ移行しました。
- 「MSG_CMSG_CLOEXEC」を実装しました。
- INETソケットのsetsockoptでセットされたrecvバッファーサイズが、適切に処理されるようになりました。
- INETソケットのデフォルトのバッファーサイズが、Ubuntuのデフォルトに合うように変更されました。
5.パイプリダイレクション
Linuxプロセスの標準出力/標準入力のパイプリダイレクションをサポートしました。「コマンドプロンプト」にて、以下のようなコマンドが実行可能です。
dir | bash -c "grep Con"
6.xattrシステムコール
「xattr」システムコールを「listxattr」に揃えました。7.SIOCGIFCONF
SIOCGIFCONFから有効なIPv4アドレスを持つインターフェースのみ返すようにしました。8.min_free_kbytesの実装
「/proc/sys/vm/min_free_kbytes」が実装されました。9.hostnameの実装
「/proc/sys/kernel/hostname」が実装されました。不具合の修正
Build 14901で行われた不具合の修正です。リリースノートに記述されていない不具合の修正も行われています。
1.パスの終端スラッシュの解釈に関する問題の修正
パスの終端スラッシュの解釈に関する問題が修正されました。例えば以下のコマンドは期待通り動作するようになりました。
mv a/c/ a/b/
2.mknod 32bit ABIシグネチャーの修正
mknod 32bit ABIシグネチャーを修正しました。3.複数のページファイルを設定している環境でインストールできない問題の修正
複数のページファイルを設定している環境で、「Ubuntu on Windows」をインストールできない問題が修正されました。4.ptrace
ptraceからinjectした際、シグナルのデフォルト動作に関する問題を修正しました。5.java/javacがフリーズする問題の修正
java/javacがフリーズする問題を修正しました。システムコール
Build 14901で行われたシステムコールに関する変更です。以下のシステムコールが新たにサポートされました。
- WAITID
- EPOLL_PWAIT
すべてのパラメーターとの組み合わせは、現時点でサポートされていません。
「WSL」がサポートしているSyscallの一覧は、以下を参考にしてください。
Ubuntu on WindowsのFAQの更新
Build 14901までに行われた「Ubuntu on Windows」のFAQの更新を反映しました。「Ubuntu on Windows」のFAQは、以下を参考にしてください。
追記部分
FAQの追記部分は、以下の通りです。[ping実行時にアクセス権がないと出るんだけど]
Windowsでは「ping」の実行に管理者権限が必要になる。
管理者として「Bash on Unbutu on Windows」を実行するか、管理者で起動している「コマンドプロンプト」や「PowerShell」から「bash」を起動して欲しい。
[OpenSSHサーバーはどうやって起動するの?]
「ping」と同じように管理者として「Bash on Unbutu on Windows」を実行するか、管理者で起動している「コマンドプロンプト」や「PowerShell」から「bash」を起動して欲しい。
[WSLからインターネットにアクセスできないんだけど]
ユーザーから、特定のファイアーウォールアプリケーションがWSLのインターネットへのアクセスをブロックするとの報告があった。
報告を受けているファイアーウォールは、以下のとおりだ。
- Kaspersky
- AVG
- Avast
ファイアーウォールをオフにしてインターネットへアクセスできるか確認して欲しい。
またアクセスを許可できるか確認して欲しい。