Ubuntu GNOME 32bit版のサポート終了に向けた計画
「Ubuntu Desktop」では、将来32bit版のサポートをどのように終息させていくのか過去に何度か議論が行われました。次のLTSリリースである「Ubuntu 18.04 LTS」がその節目として候補に挙げられています。
「Ubuntu GNOME」チームでも 「Ubuntu GNOME 32bit版」のサポートを終息させていく話し合いが行われ、計画草案が作成されました。
注意
あくまで草案なので、公式にアナウンスされた内容でもなければ、決定事項でもありません。次期LTSのリリースまで残り1年強となり、もし32bit版のサポートを行わない場合、フレーバーの開発チームは自身のユーザーに対し何かしらの形でアナウンスが必要になります。そのアナウンスに向けた草案でもあります。
Ubuntu GNOME 18.04 LTSが最後の32bit版リリースに
「Ubuntu GNOME 18.04 LTS」を最後の32bit版リリースにする計画です。節目としては「Ubuntu 18.04 LTS」と同じですね。
「Ubuntu GNOME 18.04 LTS」はLTSリリースなので、従来のLTSリリースと同じようにサポート期間はリリースされてから3年間提供されます。
つまり「Ubuntu GNOME 18.04 LTS」は、2021年4月までサポートが行われます。
アップグレード不可
もし「Ubuntu GNOME 18.04 LTS」が32bit版最後のリリースになった場合、「Ubuntu GNOME 18.04 LTS」より新しいバージョンへのアップグレードは提供されません。つまり32bitユーザーは「Ubuntu GNOME 18.10」がリリースされても「Ubuntu GNOME 18.10」へアップグレードすることはできません。
「Ubuntu GNOME 18.10」以降は、64bit版のディスクイメージのみリリースされます。
32bit版のサポートを打ち切る理由
32bit版のサポートを打ち切る理由に、以下の理由が挙げられています。- 現実的にすべての開発者および不具合の修正を行う担当者は、64bit版のOSを利用している
- ほとんどのユーザーは64bit OSが利用可能なPCを所有している (もしくは、2021年にはそうなるだろう)
- 64bit OSが利用可能なPCは2003年もしくは2004年頃から販売されており、古いIntel Atomを除き、ここ何年もの間販売されているすべてのPCは64bitをサポートしている
- 多くの状況において32bit版より64bit版のほうがパフォーマンスが良い
- メモリー使用量は32bit版と比較しても大きな差がない
- 安全性を高めるASLRは、32bit版よりも64bit版のほうがより効果的である
- Arch Linux、Fedora Server、openSUSE Leapでは32bitをサポートしていない
- 他のUbuntuのフレーバーもおそらくUbuntu GNOMEと同じタイミングで32bit版のサポートを切るだろう
- Google Chromeは32bit版のサポートを切った。
- 新Skypeも32bit版を提供していない
- 32bit版をサポートしないアプリが増加傾向にある