Linux Mint 18.2の改善点の紹介
2017年3月の「Linux Mint」月刊ニュースにて、「Linux Mint 18.2」の改善点が紹介されています。Xreaderの改善
「Xreader」は、デフォルトのドキュメントリーダーです。PDFを表示する時によく利用されるアプリです。
ユーザーインターフェースの改善
開発チームでは、ユーザーインターフェースの見直しと、サイドバーとツールバーの改良を行っています。ダークテーマ及びシンボリックアイコンのサポートと、表示モードの切り替えを行うボタンが追加される予定です。
タッチサポート
タッチ操作に対応しました。タッチスクリーンが搭載されたPCなら、ピッチイン/ピッチアウト操作によりドキュメントの表示倍率を変更したり、スワイプ操作でページ送りが可能になります。
不具合の修正
「Atril」と「Evince」で行われた不具合の修正が取り込まれています。アップデートマネージャーの改善
アップデートマネージャーに関する改善点です。レベルの精査
OSへの影響度に応じてより分かりやすいアップデートレベルに改善されます。レベル1
OSに影響がないアプリケーションのアップデートはレベル1に分類されます。レベル2
他のレベルに該当しないアップデートは、レベル2に分類されます。つまり多くのアップデートはレベル2に分類されます。
レベル3
複数のアプリケーションに影響を与えるツールキットやライブラリー及びデスクトップ環境のアップデートは、レベル3に分類されます。レベル4
「Linux Kernel」などOSに影響を与えるソフトウェアのアップデートは、レベル4に分類されます。レベル5
危険を伴う推奨されないアップデートは、レベル5に分類されます。品質が悪いアップデートや、他のアプリやシステムに悪い影響を与えかねないアップデートがレベル5に分類されます。
ヘルプの拡充
ヘルプの内容を拡充し、ユーザーにアップデートに関する詳細な情報を提供します。- アップデートとは何か?
- リグレッションとは何か?
- アップデートタイプの違いは何か?
- アップデートの重要性
- アップデートレベルとポリシーとは何か?
- などなど
ディスプレイマネージャー
ディスプレイマネージャーは、「LightDM」+「unity-greeter」がデフォルトで採用されます。現在開発チームでは、「MDM」の代替となる「LightDM」のテスト及び、不足している機能の実装が行われています。
LightDM設定ツール
LightDM設定ツール(lightdm-settings)の開発が行われており、GUIから簡単にログイン画面のカスタマイズが可能になります。「MDM」と同程度のカスタマイズが可能になります。
LightDMを採用した理由
「LightDM」を採用することで、すでに「Cinnamon」で実現されている機能を各エディションに提供することができます。これらの機能は「MDM」には実装されていない機能でした。
ゲストセッション
例えばゲストセッションがそうです。ゲストセッションを有効にすると、アカウントを作成していないユーザーでも一時的に作成されたアカウントでログインできるようになります。
ゲストログインしたユーザーが作成したファイルやデータは、ログアウトするとすべて削除されます。
モダンなコードと設計
「LightDM」のコードと設計はモダンです。グリーターはモダンなツールキットを利用していますし、グリーターとデーモン間の連携は「MDM」よりもシンプルな構造になっています。
また「LightDM」は多くのLinuxディストリビューションでデフォルトのディスプレイマネージャーとして採用されています。
LMDEではどうするか決まっていない
「Unity-greeter」が「Debian」と互換性がなく、そのままでは利用できません。「MDM」を引き続き採用するのか、「lightdm-gtk-greeter」を利用するのか、特定のディストリビューションに依存しない「unity-greeter」を開発するのかまだ決まっていません。
「LightDM」で必要な動作を実現できるよう、またOSとの統合を行えるよう、引き続きテストを行っていくとのことです。