Linux Mint 18.3の開発コード
現在「Linux Mint」の開発チームは、次期バージョンの「Linux Mint 18.3」のリリースに向けて開発作業を行っています。さてLinux Mint月刊ニュース 2017年9月号にて、「Linux Mint 18.3」の開発コードや「Linux Mint 18.3」の改善点が紹介されています。
「Linux Mint 18.3」の開発コードは、「Sylvia(シルヴィア/シルビア)」です。
Linux Mint 18.3の改善点
「Linux Mint 18.3」の改善点の紹介です。バックアップツールの追加
以前紹介したように、「mintBackup」はユーザーのホームフォルダーのバックアップ及び復元に特化したツールとなります。しかしユーザーから、システムをバックアップ及び復元するツールも欲しいとのフィードバックがありました。
そこで「Linux Mint 18.3」では、システムのバックアップ及び復元する「TimeShift」もデフォルトでインストールすることになりました。
「TimeShift」を利用することで、システムのスナップショットを作成することができます。
「mintBackup」と「TimeShift」は、お互いの機能を補完し合うソフトウェアになります。
「TimeShift」を「Linux Mint 18.3」のデスクトップ環境に統合する作業が行われており、処理の進捗をウィンドウに表示する機能や、HiDPIのサポート改善、及び翻訳の改善作業が行われています。
現時点で日本語の翻訳は全く行われていないため、協力できる人は翻訳作業に参加してみてはいかがでしょうか。
MintReport
「MintReport(mintReport)」はシステムの情報を表示し、トラブルシューティングに役立てるためのツールです。「MintReport」の実装はまだ道半ばであり、どの機能を以て「Linux Mint 18.3」で提供されるのかは、今後明らかになっていくでしょう。
現状クラッシュレポートからスタックトレースを生成し、クラッシュ情報を表示する機能が実装されており、今後も機能が追加される予定です。
「apport」をバックグラウンド使うことで、アプリクラッシュ時にクラッシュログが生成されるようになります。
一般的なデスクトップユーザーの殆どはスタックトレースの生成方法を知りません。
スタックトレースは開発者にとって不具合を特定及び再現する際、非常に重要な情報となります。
「MintReport」を利用することで、誰でも簡単にスタックトレースを生成できるようになります。
デバッグシンボルのインストール提案
「MintReport」は、デバッグシンボル(-dbgパッケージ)がインストールされていない場合、該当するデバッグシンボルのインストールを提案します。またバージョンが一致していないなど、デバッグシンボルのバージョンが一致していない場合、警告を表示します。
「Linux Mint 18.3」では、デフォルトでデバッグシンボルと「mintReport」が提供される予定です。
Cinnamonの改善点
「Linux Mint 18.3」では、「Cinnamon 3.6」が搭載される予定です。HiDPIのサポート
「Cinnamon 3.6」では、デフォルトでHiDPIのサポートが有効になっています。Cinnamonスパイスの設定モジュールの刷新
Cinnamonスパイス(アプレット、デスクレット、拡張機能、テーマ)の設定モジュールが刷新されました。これによりCinnamonスパイスの管理を今までより簡単に行えるようになりました。
Nemoの機能拡張のサポート改善
「Nemo」の拡張機能は、設定ツールの名称を「Nemo」に渡せるようになりました。これにより「Nemo」の拡張機能は、「Nemo」のプラグイン設定画面で「設定」リンクを表示し、ユーザーが拡張機能の設定を行えるようになりました。
またこうすることで拡張機能を適切に統合し、アプリケーションメニューの煩雑さを解消できるようになります。
アニメーションGIFのサポート
「Nemo」のプレビュー機能がアニメーションGIFをサポートしました。翻訳プロセスの改善
「Nemo」の拡張機能や「cinnamon-session」及び「cinnamon-settings-daemon」は、「cinnamon-translations 」で扱うように変更されました。その他の改善点
その他の改善点です。ドライバーマネージャーの改良
ドライバーマネージャーはHiDPIのサポートが改善され、より適切にGPUの検出やCPUのマイクロコードのパッケージを検出できるように改良されました。Synapticダイアログのウィンドウプログレスのサポート
ソフトウェアソースや言語の設定、アップデートマネージャーから呼び出されるSynapticダイアログが、進捗状況を表示するウィンドウプログレスをサポートしました。Xreader
ドキュメントビューワーである「Xreader」では、履歴ボタンがナビゲーションボタンに置き換えられました。履歴は引き続きメニューからアクセスできます。
また拡大/縮小ボタンは順番が入れ替えられ、等倍表示(ズームをリセットする)ボタンが追加されました。
これは他のX-Appとデザインを統一するために変更されました。
加えてスクリーンのサイズを検出する機能がサポートされ、等倍表示は印刷結果と一致するように表示されます。