MirのWaylandクライアントのサポート
「Canonical」の「Mir」の開発者が、「Mir」の「Wayland」クライアントのサポートに関する内容を紹介しています。MirサーバーライブラリーにWaylandクライアントのサポートを追加
「Mir」で「Wayland」クライアントをサポートするというのは、「Mir」が元々持っているオリジナルのクライアント―サーバー間のプロトコルに加え、「Wayland」と対話する機能を加えることを意味しています。つまり人間で言えば、母国語以外の言語を話せるようにするのと同じです。
XMirやXWaylandとは異なる
これは「XMir」や「XWayland」のような実装とは異なります。これらはX11サーバーを「Mir」や「Wayland」のクライアントとして実装しています。
「XMir」はMirサーバーのクライアントであり、「XWayland」は「Wayland」サーバーのクライアントとして動作します。
「XMir」や「XWayland」は、クライアント―サーバー間のプロトコル翻訳者として振る舞う第3のプロセスです。
WaylandのサポートはMirサーバー内に実装される
「Wayland」をサポートは直接「Mir」サーバー内に実装され、「XMir」のようなプロトコルの翻訳には頼りません。「Mir」の「Wayland」のサポートは、非常に限定的なサポートから始まります。
現時点では、Waylandクライアントがコンテンツを描画するのに十分な機能と、サーバーがその描画内容をウィンドウとして合成する十分な機能を備えています。
しかしウィンドウ管理で要求される機能の大部分など、もっと多くの実装が必要であり、期待通り動作する機能は限られています。
ネイティブのMirクライアントのサポートを廃止する可能性
MirサーバーがネイティブのMirクライアントのサポートと同じレベルでWaylandクライアントがサポートできるようになったら、ネイティブのMirクライアントのサポートを段階的に廃止していく可能性があります。Ubuntu 17.10でMir 1.0リリースを目指して
現在開発チームは「Mir 1.0」のリリースに先立ち「Mir」のテストを行っています。まだいくつか解決すべき不具合が残っており、また「Ubuntu 17.10」は「FeatureFreeze」を迎えているため「FreezeExceptionProcess」の手続きを踏む必要がありますが、少なくとも現状はリリースを妨害する要素はないため、「Ubuntu 17.10」で「Mir 1.0」のリリースを目指して作業が行われています。
ただし「Mir 1.0」では、完全な「Wayland」のサポートは見込めない予定です。