Lubuntu 18.10の新機能と変更点
リリースノートから「Lubuntu 18.10」の新機能と変更点を紹介します。1.LXQtの採用
「Lubuntu 18.10」で最も大きな変更点は、「LXQt」の採用です。つまりデスクトップ環境そのものが変更されました。
今まではデスクトップ環境に「LXDE」を採用していましたが、「Lubuntu 18.10」以降は「LXQt」を採用し、「Lubuntu」開発チームは今後も引き続き「LXQt」に注力していきます。
そのため「LXDE」及びその関連ツールはもはやサポートされません。
2.コアコンポーネントやソフトウェアのアップデート
「Lubuntu 18.10」では、以下のソフトウェアを採用しています。- LXQt 0.13.0
- Qt 5.11.1
- Firefox 63(継続的にアップデートが提供される)
- LibreOffice 6.1.2(Qt5フロントエンドに対応)
- VLC 3.0.4(マルチメディアプレーヤー)
- Featherpad 0.9.0(テキストエディター)
- Discover Software Center 5.13.5(アプリのインストールや管理)
- Trojitá 0.7(メールクライアント)
3.Calamaresの採用
「Calamares」はOSのインストーラーを構築するためのフレームワークです。「Lubuntu 18.10」では従来採用していた「Ubiquity」の代わりに「Calamares」を採用し、インストーラーが一新されました。
残念ながら従来のインストーラーがサポートしていた最小インストール等の機能はサポートしていませんし、十分な品質の確保に至っていませんが、「Lubuntu 19.04」の開発では機能の充実や品質の確保に向け作業が行われます。
インストーラー機能の組み合わせテストの結果は、以下を参照してください。
「LUKS」による暗号化との組み合わせでは、軒並みNGになっています。
またパーティションの設定も、今回は手動によるパーティション設定が推奨されています。
4.Lubuntu Manual
「Lubuntu 18.10」とは関係ありませんが、「Lubuntu」の使い方を紹介する「Lubuntu Manual」が将来的にデフォルトでインストールされるようになる予定です。マニュアルのフィードバックを募集しています。
またマニュアルを翻訳してくれる協力者も募集しています。
5.その他の変更点
「Linux kernel」など「Ubuntu」と共通して利用しているコアコンポーネントは、「Ubuntu」と同じものを採用しています。デスクトップ環境以外の変更点は、「Ubuntu」の変更点を参考にしてください。
既知の問題と注意事項
既知の問題と注意事項です。1.アップグレードはサポートしない
「Lubuntu 18.10」はデスクトップ環境が変更され、アップグレードにより様々な問題が発生するため、現時点で「Lubuntu 18.04」から「Lubuntu 18.10」へのアップグレードはサポートされません。もしアップグレードを行うユーザーは、以下を参照してください。
2.マルチモニター環境
現状すべてのモニターを1つのモニターとして扱い、デスクトップの背景を描画します。「Lubuntu 19.04」ではこの問題が解消される予定ですが、それまでは以下のスクリプトでこの問題を回避できます。
3.追加のドライバー
「追加のドライバー」では、「software-properties-gtk」から「software-properties-qt」への移行が行われていないため、現状期待通りに動作しません。「追加のドライバー」は、CPUのマイクロコードやGPUドライバーなどをインストールする機能です。
この問題に対処するには、「端末」から以下のコマンドを実行してください。
ubuntu-drivers
4.LibreOfficeのテーマ
ディスクイメージに含まれている「LibreOffice」のデフォルトのテーマが「Adwaita」テーマになっており、システムのテーマと一貫性がありません。この問題はバージョン「1:6.1.2-0ubuntu2」で修正される予定です。
5.Trojitá
「Trojitá」は「QtWebkit」に関連する問題により、メールが正しく表示されないことがあります。この問題はバージョン「5.212.0~alpha2-12ubuntu2」で修正される予定です。
またアイテムの並び替えを頻繁に行うと、クラッシュする可能性があります。