Ubuntu Budgie 21.10の新機能と変更点
リリースノートから「Ubuntu Budgie 21.10」の新機能と変更点を紹介します。リリース情報
「Ubuntu Budgie 21.10」のリリース情報は、以下を参照してください。リリースノートは以下を参照してください。
サポート期間
「Ubuntu Budgie 21.10」は通常リリースであり、リリースされてから9ヶ月間のサポートが提供されます。つまり2022年7月までサポートが提供されます。
長期サポートが必要なユーザーは
長期サポートが必要なユーザーは、最新のLTS版である「Ubuntu Budgie 20.04 LTS」を利用してください。「Ubuntu Budgie 20.04 LTS」は2023年4月まで無償サポートが提供されます。
Ubuntuと共通する新機能や既知の問題
「Linux kernel」などコアコンポーネントは「Ubuntu」と共有しています。「Ubuntu」と共通する新機能や既知の問題は、以下を参照してください。
Budgie 10.5.3
「Ubuntu Budgie 21.10」では、デスクトップ環境に「Budgie 10.5.3」を採用しています。「Budgie 10.5.3」の新機能と変更点は、以下を参照してください。
不具合修正や改善
「Budgie 10.5.3」では通知周りの処理や「Raven」、各種アプレットの不具合修正、そしてUXが改善されており、安定性が向上しています。GNOME 40スタックのサポート
「Budgie」は「GNOME」上に構築されているデスクトップ環境ですが、「Budgie 10.5.3」で「GNOME 40」スタックがサポートされました。またダークテーマでは「GTK 4」がサポートされました。
MPRISの応答性改善
「MPRIS(Media Player Remote Interfacing Specification)」は別のアプリからメディプレーヤーをリモートで操作するための仕組みです。「MPRIS」のメタデータ取得や、メディアの再生状況の取得、1つ前のメディア/次のメディアを再生可能かどうかのチェックを不要なアイドル時間を置かずに即座に実行するように修正されました。
Ravenから煩雑な通知をフィルタリング
「Raven」の通知が煩雑にならないように通知のフィルタリングが行われるようになりました。ウィンドウがフルスクリーンになっている時に通知を一時停止する設定
ウィンドウがフルスクリーンになっている時に通知を一時停止する設定が追加されました。デバイスの追加と削除通知
デバイスの追加時と削除時の通知をフィルタリングしなくなりました。これにより外部メディアを排出した時に「Raven」の通知に表示されない問題が解決します。
Window Shuffler Control
「Window Shuffler Control」はウィンドウの配置や整列、リサイズを行うアプリです。ショートカットキーによる配置や自動配置など、便利な機能を提供しています。
アプレットに対応
「Window Shuffler Control」がアプレットに対応し、パネル上に「Window Shuffler Controlアプレット」を配置できるようになりました。アプレットから簡単にウィンドウの再配置や移動を実行できます。
ウィンドウルールに対応
アプリのウィンドウが開かれた時に自動的にウィンドウの位置を調整するウィンドウルールに対応しました。またアプリのウィンドウを開くワークスペースを指定することも可能です。
アプリケーションメニュー
「アプリケーションメニュー」に関する変更点です。計算結果をクリップボードにコピー
アプリケーションメニューは電卓に対応しており、計算式を入力すると計算結果が表示されます。この時計算結果をクリップボードにコピーする方法が表示されるようになりました。
視覚効果の変更
アプリケーション一覧をグリッド表示からカテゴリー表示に切り替える際、スライドアニメーションの代わりにフェード効果で画面を切り替えるようになりました。カテゴリー間のスペース調整
カテゴリー名間のスペースを調整できるようになりました。アプレット
アプレットに関する変更点です。Icon Task Listアプレット
「VirtualBox」のアイコンが「Icon Task Listアプレット」に表示されない不具合が修正されました。また「Budgie Desktop Settings」をドラッグ&ドロップで「Icon Task Listアプレット」にピン留めできないように修正されました。
これは操作ミス等で不用意に「Icon Task Listアプレット」にピン留めしてしまうと、ピン留めを解除できなくなるためです。
Status Indicatorアプレット
「Status Indicatorアプレット」でアイコン間のスペースを調整できるようになりました。Sound Indicatorアプレット
「Sound Indicatorアプレット」及び「Raven」で、標準的な方法でボリュームのミュート及びミュート解除を実行するように修正されました。これはメディアキーでボリュームをミュートにした後、アプレットからミュートを解除しても解除できないといった不具合に対応するものです。
System Trayアプレット
「KeePass」によりパネルがクラッシュする不具合が修正されました。Lock Keys Indicatorアプレット
OSで「xdotool」が利用可能なら、「Lock Keys Indicatorアプレットから「CapsLock」と「NumLock」を切り替えられるようになります。Calendarアプレット
日付フォーマットをカスタム設定にしている時に、AM/PMの表示が正しく表示されるようになりました。アプレットをクリックしてカレンダーを表示した時に、現在の日付を選択するようになりました。
「Calendarアプレット」の改善点は「Ubuntu Budgie 20.04 LTS / 20.10」にもバックポートされています。
AppIndicatorアプレット
サイズが大きいインジケーターのサポートが改善されました。CpuTempアプレット
センサーから取得した温度を表示する「CpuTempアプレット」が追加されました。「CpuTempアプレット」は「Ubuntu Budgie 20.04 LTS / 20.10 / 21.04」にもバックポートされています。
Budgie Pixel Saverアプレット
「Budgie Pixel Saverアプレット」は様々な改良が施されました。- ドラッグ&ドロップによるウィンドウサイズの復元(非最大化)
- タイトルテーマのカスタマイズに対応
- Arcテーマのサポート改善
- タイトル幅を200ピクセルまで設定可能に
- タイトルを右揃えに変更可
- ウィドウコントロールテーマのサポート改善
「Budgie Pixel Saverアプレット」の改善点は「Ubuntu Budgie 20.04 LTS / 20.10 / 21.04」にもバックポートされています。
VisualSpaceアプレット
「VisualSpaceアプレット」の画面に操作ヒントが表示されるようになりました。またパネルアイコン上でマウスホイールをスクロールすれば、ワークスペースを切り替えられます。
Brightness Controllerアプレット
「Brightness Controllerアプレット」は「設定(GNOME Settings)」の設定と正確に同期するようになりました。テーマ
テーマに関する変更点です。1.テーマのSnapパッケージ化
以下のテーマがSnapパッケージになりました。Snapアプリからこれらのテーマを利用可能です。
2.テーマのGTK 4対応
以下のテーマが「GTK 4」に対応しました。WhiteSur
「Budgieへようこそ」から本テーマをインストール可能です。「WhiteSur」に多数の新アイコンが導入されました。
「WhiteSur」は「Ubuntu Budgie 20.04 LTS / 20.10 / 21.04」にもバックポートされています。
QogirBudgie
「QogirBudgie」はデフォルトでインストールされています。Vimix
「Budgieへようこそ」から本テーマをインストール可能です。「Vimix」は「Ubuntu Budgie 21.04」にもバックポートされています。
Mojave
「Budgieへようこそ」から本テーマをインストール可能です。「Mojave」は「Ubuntu Budgie 21.04」にもバックポートされています。
Pocillo
「Pocillo」はデフォルトでインストールされています。また「Pocillo」に多数の新アイコンが導入されました。
その他
その他の変更点です。1.Nemo Preview
「Budgieへようこそ」のおすすめのアプリに「Nemo Preview」が追加されました。「Nemo Preview」はファイルマネージャーの「Nemo」で選択されているファイルの内容をプレビューするソフトウェアです。
「スペース」キーを押せばプレビューが表示されます。
「Nemo Preview」は「Ubuntu Budgie 20.04 LTS / 20.10」にもバックポートされています。
2.Firefoxについて
「Ubuntu Budgie 21.10」ではデフォルトのウェブブラウザーにdebパッケージ版「Firefox」を採用しています。「Ubuntu」と同様に「Ubuntu Budgie 22.04 LTS」でSnapパッケージ版「Firefox」に移行します。
開発チームは「Ubuntu Budgie 21.10」ユーザーに早期にSnapパッケージ版「Firefox」へ移行し、不具合報告などフィードバックすることを推奨しています。
Snapパッケージ版「Firefox」をインストールする場合、上記で紹介したSnapパッケージ版のテーマをインストールし利用することも可能です。
3.Nemoから壁紙を設定する機能の改善
「Nemo」で画像ファイルを右クリックした時に表示されるコンテキストメニューから「壁紙に設定」を選択した時に、従来は壁紙にのみその画像ファイルを設定していましたが、壁紙に加えロック画面の壁紙にもその画像ファイルが設定されるようになりました。4.Drawingのアップデート
「Drawing」が「Drawing 0.8.3」にアップデートされました。5.ワークスペースの切り替えショートカットキーの変更
「GNOME 40」以降、ワークスペースの切り替えショートカットキーが「Super + Alt + ← / →」に変更されました。このキーの割当は「Shuffler」でウィンドウを移動するショートカットキーと重複するため、ワークスペースの切り替えショートカットキーが従来のキーに戻されています。
既知の不具合
既知の不具合です。アップグレード後にパネルがクラッシュする時は
アップグレード後にメニューボタンをクリックするとパネルがクラッシュする時は、「Ctrl + Alt + T」キーを押して端末を起動し、以下のコマンドを実行してください。 nohup budgie-panel --reset --replace &
ターミナルベースのアプリが起動しない
メニューからターミナルベースのアプリを起動しても、ターミナルベースのアプリは起動しません。この不具合の詳細は、以下を参照してください。
回避策は、端末起動し、以下のコマンドを実行してください。
sudo ln -s /usr/bin/tilix /usr/bin/nxterm