Intel TDX 1.0 Technology Previewが利用可能に
2023年11月3日、「Ubuntu 23.10」で「Intel TDX 1.0 Technology Preview」が利用可能になりました。Intel TDX
「Intel TDX(Intel Trust Domain Extensions)」は機密データを保護する仕組みです。一般的な例としてCPUがデータを処理する時、それらのデータはメモリー上に配置されています。
この時ソフトウェアの脆弱性により処理対象のデータを十分に保護できず、攻撃者によりその機密情報が漏れてしまう可能性があります。
「Intel TDX」はハードウェアで保護された実行環境を提供し、データが処理されている間そのデータを保護する仕組みを提供します。
この仕組みの活用により仮想マシンの安全性を向上させることができます。
「Intel TDX」は第4世代の「Intel Xeon Scalable Processor」の一部のモデル、及びもうすぐ登場予定の第5世代の「Intel Xeon Scalable Processor」でサポートされます。
ソフトウェアも対応が必要
TPMやUEFIセキュアブートと同様にいくら仕組みが提供されていても、それを活用するソフトウェアスタックがなければ意味がありません。アップストリームの対応を待つ間にCanonicalはIntelと連携し、「Intel TDX」の活用に必要なソフトウェアスタックを含む「Ubuntu 23.10」のカスタムビルドを提供することになりました。
ちなみにリモートで「Intel TDX」の実行環境のセキュリティーを証明する機能は、2023年12月に提供される予定です。
カスタムビルド
「Ubuntu 23.10」のカスタムビルドでは、ホスト側とゲスト側の双方に「Intel TDX」の活用に必要なソフトウェアが含まれています。ホスト側では「Ubuntu 23.10」のgenericカーネルから派生した「Linux kernel 6.5」を採用し、PPAを通じて提供される「Libvirt 9.6」や「QEMU 8.0」が含まれています。
ゲスト側では「Linux kernel 6.5」やShim、GRUB、そしてゲスト内のVMファームウェアとして機能するTDVFが含まれています。
ビルドスクリプト
カスタムビルドではカスタムビルドされたイメージが提供されるのではなく、ビルドスクリプトを実行して「Intel TDX」の活用に必要なソフトウェアを導入することになります。事前に「Ubuntu Server 23.10」をインストールしておいてください。
「Ubuntu 23.10」のリリース情報は、以下を参照してください。
ビルドスクリプトの導入方法や実行方法は、以下を参照してください。