Ubuntu Touch OTA-3がリリースされました
2023年11月8日、「Ubuntu Touch OTA-3」がリリースされました。Ubuntu Touchとは
「Ubuntu Touch」は、スマートフォンやタブレットなどモバイルデバイス向けのOSであり、ユーザーのプライバシーと自由を尊重するOSです。UbuntuベースのOS
「Ubuntu Touch」は「Ubuntu」ベースで開発されているOSであり、開発は「UBports」コミュニティーにより行われています。モバイルのUXとデスクトップのUX
外部ディスプレイとキーボード、そしてマウスをモバイルデバイスに接続すれば、UIがデスクトップ向けのUIに変化し、デスクトップとして活用することもできます。つまり1つのモバイルデバイスで、モバイルのUXとデスクトップのUXを利用することができます。
Ubuntu Touchがサポートしているデバイス
「Ubuntu Touch」がサポートしているデバイスや、各デバイスで利用可能な機能及び制限は、以下を参照してください。Ubuntu Touchインストーラー
「Ubuntu Touch」は「UBports Installer」を利用してインストールします。「UBports Installer」は、「Windows」「macOS」「Linux」に対応しています。
「UBports Installer」の使い方は、以下の動画を参考にしてください。
Ubuntu Touch OTA-3
今回リリースされた「Ubuntu Touch OTA-3」は、「Ubuntu 20.04 LTS」ベースの「Ubuntu Touch」です。「Ubuntu 16.04 LTS」ベースの「Ubuntu Touch」は、以前紹介した「Ubuntu Touch OTA-25」で最後になります。
対象デバイス
今回リリースされた「Ubuntu Touch OTA-3」は、以下のデバイスが対象になっています。- Asus Zenfone Max Pro M1
- Pro1-X
- Fairphone 3, 3+
- Fairphone 4
- Google Pixel 3a, 3a XL
- JingPad A1
- Oneplus 5, 5T
- OnePlus 6, 6T
- PinePhone (beta)
- PinePhone Pro (beta)
- PineTab (beta)
- PineTab2 (beta)
- Sony Xperia X
- Vollaphone
- Vollaphone X
- Vollaphone 22
- Vollaphone X23
- Xiaomi Poco M2 Pro
- Xiaomi Poco X3 NFC / X3
- Xiaomi Redmi Note 9, 9 Pro, 9 Pro Max, 9S
PinePhoneとPineTabについて
以下のデバイスでも「Ubuntu Touch OTA-3」が提供されるようになりました。- PinePhone
- PinePhone Pro
- PineTab
- PineTab 2
現在これらのデバイス向け「Ubuntu Touch OTA-3」は、βリリース扱いになっています。
また現時点では従来どおりアップストリームイメージでデバイスをフラッシュしておく必要があります。
アップストリームイメージは、以下を参照してください。
新機能と変更点
新機能と変更点をピックアップします。1. PinePhoneとPineTabの初サポート
上記でも紹介していますが「Ubuntu Touch OTA-3」で「PinePhone」と「PineTab」をサポートしました。2. バイブレーション機能の無効化
「hfd-service」及び「lomiri-system-settings」で通知やアプリによるバイブレーション機能の無効化がサポートされました。3. プライマリーAPNデータベースプロバイダーの変更
プライマリーAPNデータベースプロバイダーが「mobile-broadband-provider-info」から「lineageos-apndb」へ変更されました。これにより従来よりも多くのユーザーが、モバイルデータや「MMS」を簡単に利用できるようになりました。
4. ロケーションサービスの改善
「location-service」で「gpsd」プロバイダーが追加されました。またロケーションサービスを利用するクライアントアプリは、位置データの更新タイミングを調整できるようになりました。
5. システム設定の改善
セキュリティーとプライバシー設定画面のUIとメニュー構造が見直され、デザインが改善されました。またアップデート設定画面では、チャンネル選択の変更が反映されるようになりました。
6. Snapの初期サポート
Snapが初期サポートされました。7. メッセージアプリ
メッセージアプリでは、会話内容を対象に検索する機能が実装されました。8. Morph Browser
「Morph Browser」はウェブブラウザーです。「Morph Browser」の検索エンジンプロバイダーから「Peekier」が削除されました。
「Peekier」はデフォルトの検索エンジンである「DuckDuckGo」にフォールバックされます。
またモバイル/デスクトップモードの切り替えに対応しました。
設定画面に「autoLoadImages」設定が追加されました。
レンダリングエンジンの「QtWebEngine」が「QtWebEngine 5.15.15」にアップデートされました。
9. Androidアプリのサポート改善
スクリーン下部のナビゲーションボタンに重ならないように、利用可能な領域が調整されるようになりました。10. テザリングのサポート改善
テザリングの検出に「CDC-NCM」と「CDC-ECM」が加わり、テザリングのサポートが改善されました。これにより「Fairphone 4」などテザリングをサポートするデバイスが拡大されました。
11. 不具合の修正と安定性の改善
ソフトウェアのクラッシュなど数多くの不具合が修正されており、動作の安定性が向上しています。Ubuntu Touch OTA-3をインストールするには
「Ubuntu Touch OTA-3」をインストールする方法です。1. stableチャンネルでUbuntu Touchを利用している場合
現在「stable」チャンネルですでに「Ubuntu Touch」を利用している場合、「System Settings」の「Updates」画面から「Ubuntu Touch OTA-3」へアップデートできます。ただしアップデートはリリース日以降ランダムに提供されるため、デバイスによってアップデートを受け取れる時期が異なります。
これはアップデートに問題が見つかった際に、ユーザーへの影響を軽減するための措置です。
またアップデートを自動ダウンロードに設定している場合、アップデート可能になったら自動的に通知が表示されます。
即座にアップデートを適用したい場合
即座にアップデートを適用したい場合、まずデバイスのADBアクセスを有効にします。次に「adb shell」上で以下のコマンドを実行します。
sudo system-image-cli -v -p 0 --progress dots
2. Ubuntu Touchを新規にインストールする場合
「Ubuntu Touch」を新規にインストールする場合、以下を参考にして「Ubuntu Touch OTA-3」をインストールしてください。不具合を見つけた時は
不具合を見つけた時は、まず以下のドキュメントに目を通し不具合の報告方法を確認してください。また各デバイスごとにGitlabにリポジトリーが用意されていますので、その各リポジトリーの「issues」にすでに不具合が報告されていないか確認してください。
デバイスごとのリポジトリーは「Ubuntu Touch devices」からアクセスできます。