Ubuntu Studio 24.10の開発状況
2024年7月29日、Ubuntu Studio 開発チームは、以下で Ubuntu Studio 24.10 の開発状況を紹介しています。Generic Kernel の採用
Ubuntu Studio 24.10 では、採用する Linux kernel が Ubuntu と同様に Generic kernel に切り替わります。低遅延カーネルの機能と Generic kernel
Ubuntu Studio は動画編集や DTM などオーサリングに最適化した OS としてリリースされています。そのため今まで Ubuntu Studio では、低遅延カーネルを採用してきました。
しかし以前紹介したように Ubuntu 24.04 LTS の Generic kernel に、低遅延カーネルの機能が統合されました。
これを受け Ubuntu Studio でも Ubuntu と同様に Generic kernel を採用することになりました。
ちなみに既存の低遅延カーネルは、将来的に Ubuntu で廃止される予定です。
カーネルの低遅延設定
カーネルには低遅延のための設定がいくつかあります。Ubuntu Studio では、以下のカーネル低遅延設定がデフォルトで有効になります。
- threadirqs
- preempt=full
nohz_full=all 設定について
nohz_full=all 設定は高負荷の動画制作ワークロードでパフォーマンスの低下が判明したため、デフォルトでこの設定は指定されていません。低遅延設定を行うアプリ
Ubuntu Studioではユーザーが低遅延設定を簡単に変更できるようにするため、Ubuntu Studio Audio Configuration アプリを開発しました。低遅延設定機能の改善
現状は低遅延設定を変更した時に設定を反映するため、PC の再起動が必要になります。Ubuntu ではPC の再起動なしに低遅延設定を反映する改善作業を行っています。
この作業が間に合えば PC を再起動せずに即座に設定を反映できるようになります。
KDE Plasma 6
Ubuntu Studio ではデスクトップ環境に KDE Plasma を採用しています。KDE Plasma 6
KDE Plasma 6 は最新のメジャーバージョンです。現在 Ubuntu Studio 開発チームは Kubuntu と連携し、KDE Plasma 6 への移行作業を行っています。
もし作業が間に合えば、Ubuntu Studio 24.10 で KDE Plasma 6 が採用されるかもしれません。
新しいテーマ
Ubuntu Studio 24.10 でテーマが新しくなります。Orchis テーマに移行
Ubuntu Studio は Ubuntu Studio 22.04 LTS を除き、Ubuntu Studio 19.04 から 長い間 Materia テーマを採用してきました。ちなみに Ubuntu Studio 22.04 LTS では、Breeze テーマの配色を変更したテーマを採用していました。
Materia テーマはすでに開発されておらず、代わりに Materia テーマから派生した Orchis テーマを採用することになりました。
Orchis テーマは外観が Materia テーマと似ているテーマです。
寄付のお願い
Ubuntu Studio はコミュニティーが運営するプロジェクトであり、ボランティアベースのプロジェクトです。十分なリソースなしに Ubuntu Studio を継続的に開発及びリリースすることは困難です。
そのため寄付がお願いされています。
寄付できる方は以下を参照し、寄付で Ubuntu Studio に貢献すると良いでしょう。