MATE 1.18リリース
2017年3月13日に「MATE 1.18」がリリースされました。「MATE」は「Ubuntu MATE」で採用されているデスクトップ環境です。
「MATE 1.18」は将来的に「Ubuntu MATE」で採用されることになります。
GTK+3に完全移行
「MATE 1.18」では、「GTK+2」から「GTK+3」への完全移行に焦点をあてて開発が行われました。加えて「MATE 1.16」が依存していた非推奨の機能を、サポートされている新しい機能に置き換え、新しい機能に適合するよう各ソフトウェアやコンポーネントを修正する作業も行われています。
例えば「libunique」から「GtkApplication」への移行が行われています。
「MATE 1.18」をビルドするには「GTK+ 3.14」以降が必須となり、「GTK+2」のコードは「--with-gtk」ビルドオプションを含め削除されました。
その他の変更点
「GTK+3」への完全移行だけでなく、アプリケーション含め様々な改善が行われています。マウス及びタッチパッドのサポート改善
[libinput」のサポートを行い、マウスの利き手設定と移動速度及びしきい値の設定を個別に行えるようになりました。アクセサシビリティーの改善
アクセサシビリティーに多くの改善が施され、UIを音声で案内するなどデスクトップ環境の利用を支援します。Cajaの改善
ファイルマネージャーである「Caja」では、以下の改善含め様々な改善が行われています。- コピーキュー及びコピーの一時停止に対応
- ゴミ箱にファイルを移動する際、確認画面を表示できるようになった
- フォルダーの移動(前へ/次へ)をマウスで行えるようになった
- イジェクトされたデバイスが安全に取り外しできるようになったら、通知を表示するようになった
ロック画面
ロック画面では、ユーザーが設定している壁紙を表示するようになりました。MATEパネル
MATEパネルでは、以下の改善含め様々な改善が行われています。- デスクトップアクションのサポート
- StatusNotifierのサポート
- MenuLibreメニューエディターのサポート
Engrampaの改善
アーカイブマネージャーである「Engrampa」では、以下の改善含め様々な改善が行われています。- 「ear」形式と「war」形式のアーカイブをサポートタイプリストに追加
- 正しい日時を表示するため、rar/unrarのバージョンをチェックするように変更
- 分割されたボリュームで「rar」及び「7z」の圧縮に関する不具合の修正
通知
デスクトップ通知がアクションアイコンをサポートしました。例えばメディアプレーヤーの再生ボタンが通知画面に表示されるようになります。
フォントビューワー
- フォントブラウジングモードの追加
- TTCフォントのサポート
- デフォルトでメニューに各フォントによる描画を行うようになった