Mirの進捗とリリース計画
「Mir」は現在「Mir 1.0」安定版のリリースに向けて開発が行われています。「Mir」は「Canonical/Ubuntu」主導で開発が行われ、将来「Ubuntu」で採用されるディスプレイサーバーです。
「Ubuntu Desktop」では、「Unity8」とセットで利用することになります。
Mir 0.26.1
現在開発中の「Ubuntu 17.04」では、「Mir 0.26.1」が利用できるようになっています。「Mir」開発チームでは、「Ubuntu 17.04」で採用する「Mir」に対して大幅なアップデートする計画はなく、もしアップデートするなら「Mir 0.26.2」のような不具合の修正などマイナーアップデートに留まる予定です。
Mir 0.27
もし開発チームがハイブリッドグラフィックスのサポート作業を予定通りに完遂できれば、「Mir 0.27」をリリースし、「Ubuntu 17.04」で「Mir 0.27」を採用する可能性があります。もし「Mir 0.27」のリリースが行われ、そのリリースが「Ubuntu 17.04」に間に合わなかった場合、「Ubuntu 17.10」の開発が始まった時に「Mir 0.27」が取り込まれる予定です。
しかし現状では、「Mir 0.27」がリリースできるかどうか、そもそも「Mir 1.0」リリース前に「Mir 0.27」をリリースするかどうかは明らかになっていません。
Mir 1.0
「Mir 1.0」は、ユーザーが利用できる安定版のバージョンとして位置づけられています。「Mir 1.0」では、mirclient ABIが変わり、非推奨のAPIが削除されます。
「Mir」を利用しているプロジェクトに向けて開発チームは、「Mir 0.26」で非推奨のAPIにマークを付け、これらのAPIを利用しないよう、そして新しいAPIに移行するように促しています。
「Mir 1.0」は、「Ubuntu 17.10」の開発期間の早い時期にリリースされる予定です。
またこの時点で、「Mesa」や「Vulkan」が「Mir」をサポートする方法も明らかになります。
つまりどういうこと?
デスクトップユーザーからすれば、「Ubuntu 17.10」で安定版の「Mir 1.0」が利用可能になり、今よりも安定した環境で「Unity 8」が利用できるようになる予定です。どの程度安定して利用できるかは「Unity 8」自身の出来の良さにも依存しますが、本採用予定の「Ubuntu 18.04 LTS」の前に、本採用に近い環境で「Unity 8」を試用できそうですね。