Mirニュースレター(2018/9/28)
「Mir」の開発チームは、ニュースレターで「Mir」の開発状況や取り組みを紹介しています。Mirとは
「Mir」は次世代のディスプレイサーバーです。デスクトップやモバイルデバイス、そしてIoTまで、幅広い分野をサポートするディスプレイサーバーです。
デスクトップPCから見れば、既存のXサーバーを置き換えるソフトウェアになります。
「Mir」に関する詳細は、以下を参照してください。
- 公式サイト:Mir Display Server
- ユーザー向けドキュメント:Getting and Using Mir
- 開発者向けドキュメント:Welcome to Mir
- GitHub:MirServer/mir
- コミュニティー:Mir category
IoT
「Mir 1.0」は「Ubuntu Core」が動作しているIoTデバイス上でGUIを持つSnapアプリのサポートに主な焦点をあてたリリースですが、これに併せSnapアプリ開発のチュートリアルの更新や追加が行われました。- Make a secure Ubuntu kiosk
- Run a Web Kiosk/Web Display on Ubuntu Core
- Make a Wayland-native Kiosk snap
- Make a X11-based Kiosk Snap
- Make a HTML5/Electron-based Kiosk Snap
IoTデバイスでSnapアプリの開発を検討している人は、上記のチュートリアルを参考にすると良いでしょう。
ステップバイステップで手順が紹介されています。
ArchやFedoraでMir 1.0が利用可能に
「Ubuntu」の「ppa:mir-team/release」に加え、「Arch(ARU)」「Fedora 29」「Fedora Rawhide」でも「Mir 1.0」が利用可能になりました。また「Ubuntu」のリポジトリーにも「Mir 1.0」を反映する作業が行われています。
加えて「Debian」に対しても同作業が行われています。
MATEのWayland/Mir対応作業
「MATE」の開発者がMATEパネルを「Wayland/Mir」に対応させる作業を行っています。これは「MATE」デスクトップ環境を「Mir」上で動作させるための最初の段階となります。
「MATE」デスクトップ環境の「Wayland/Mir」対応は長い道のりになりますが、将来「Mir」上で「MATE」が動作する日が来るでしょう 。
Mirのコンポーネント
1.libmiral(サーバー向け)
「libmiral」は、ユーザーシェルをサポートするサーバー向けのライブラリーです。いわゆるデスクトップ環境は、ユーザーシェルに含まれます。
「libmiral」は、シェル/ディスプレイ、サーバー/コンポジターを構築するためのAPIを提供します。
様々なハードウェア構成で動作するシェルの開発をサポートしますが、クライアントアプリがないシェルは役に立ちません。
2.libmirclient(クライアント向け/非推奨)
「Wayland」を実装する前の「Mir」で使われるクライアント向けのライブラリーです。「libmirclient」は、このライブラリーに適合するツールキットをクライアント側に要求しますが、もうこれはサポートされません。
元々「libmirclient」をサポートしていたツールキットは、「Wayland」に移行しています。
「libmirclient」を利用した新しいクライアントの開発に対し開発チームは、何ら支援を行いません。
ただし未だ「libmirclient」を利用しているプロジェクトがあり、「libmirclient」そのものはまだ「Mir」から削除されていません。
可能な限り早く「Wayland」へ移行してください。
3.Wayland(クライアント向け)
「Mir」上で動作するクライアントを開発する場合は、「Wayland」を利用します。「Wayland」は「Mir」固有の仕様ではないため、「Wayland」に対応したクライアントを開発すれば、「Mir」だけでなく「wlroots」「KWin」「Mutter」「weston」といった他のディスプレイサーバー上でも動作するでしょう。