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Linux その204 - NVIDIA、オープンソースGPUカーネルモジュールへ移行

NVIDIA、オープンソースGPUカーネルモジュールへ移行

2024年7月17日、今後NVIDIA GPU向けドライバーはオープンソースGPUカーネルモジュールへ移行するとのアナウンスを出しました。


  • NVIDIA Transitions Fully Towards Open-Source GPU Kernel Modules

2種類のドライバー

NVIDIAはLinux向けに複数のNVIDIA GPUドライバーをリリースしています。
大別すると以下の2種類に別れます。

  1. プロプライエタリードライバー
  2. GPUカーネルモジュールがオープンソースのドライバー

今まで長い間NVIDIAは、Linux向けにプロプライエタリードライバーを提供してきました。
しかし2年ほど前に、GPUカーネルモジュールがオープンソースのドライバーもリリースするようになりました。

  • NVIDIA GPUドライバーのカーネルモジュールがオープンソースに

Ubuntuでも利用可能に

NVIDIAのリリースに合わせ、UbuntuでもGPUカーネルモジュールがオープンソースのドライバーを利用できるようになりました。

  • カーネルモジュールがオープンソースのERD向けNVIDIA GPUドライバーのリリース
  • コマンドでNVIDIA GPUドライバーをインストールするには

ちなみに「Ubuntu Desktop」ユーザーは、「ソフトウェアとアップデート」の「追加のドライバー」からNVIDIA GPUドライバーをインストールすると良いでしょう。

今後はオープンソースのドライバーへ移行

オープンソースのドライバーのリリースから2年経ち、従来のプロプライエタリードライバーと比較して同等以上のパフォーマンスを達成し、NVIDIAは以下を含む様々な新機能にも対応してきました。

  • HMM(Heterogeneous Memory Management)
  • Confidential computing
  • Coherent memory architectures(Grace platforms)

そのためNVIDIAからリリースされているモダンなGPUからプロプライエタリードライバーによるサポートがなくなり、オープンソースのドライバーに一本化されることになりました。

GPUドライバーのサポート範囲

NVIDIAがリリースしているGPUドライバーのサポート範囲は、以下のように案内されています。

Grace Hopper / Blackwell

これらのアーキテクチャーに基づくNVIDIA GPUは、オープンソースドライバーでのみサポートされ、プロプライエタリードライバーではサポートされません。
これらのアーキテクチャーは、GH200などエンタープライズ向けのNVIDIA GPUで採用されているアーキテクチャーです。

Turing / Ampere / Ada Lovelace / Hopper

これらのアーキテクチャーに基づくNVIDIA GPUは、プロプライエタリードライバー及びオープンソースドライバーでサポートされていますが、オープンソースドライバーの利用が推奨されています。
これらのアーキテクチャーは、GeForce GTX 1650など比較的新しいNVIDIA GPUで採用されているアーキテクチャーです。

Maxwell / Pascal / Volta

これらのアーキテクチャーに基づくNVIDIA GPUは、プロプライエタリードライバーでのみサポートされ、オープンソースドライバーではサポートされません。
これらのアーキテクチャーは、GeForce GTX 1080など古いNVIDIA GPUで採用されているアーキテクチャーです。

Linux
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