Ubuntu mdadm その44 - 外部ライトインテントビットマップを有効にしてRAID 4アレイを作成する・作成したアレイの確認と利用

アレイを作成する環境について

ここでは例として、「ライトインテントビットマップ」を有効にして「RAID 4」アレイを作成します。

また「ライトインテントビットマップ」の「チャンクサイズ」も指定します。
ビットマップの種類は、「外部ビットマップ」です。

アレイを構成する物理ボリュームは以前紹介しているので、「RAID 4アレイを作成する基本的なコマンドの例」を参考にしてください。

他のオプションと併用できますが、他のオプションは省略しています。

外部ライトインテントビットマップを有効にしてRAID 4アレイを作成する

「RAID 4」アレイを作成します。
アレイ作成時に「ライトインテントビットマップ」を設定しています。

1.コマンドの実行

「端末」を起動し、以下のコマンドを実行します。

ここでは、3つのパーティション「/dev/sdd3」、「/dev/sde3」、「/dev/sdf3」から「RAID 4」アレイを作成します。

各オプションの意味は、「RAID 4アレイを作成するコマンドの説明」を参考にしてください。
赤字の箇所は、「RAID 4アレイを作成する基本的なコマンドの例」から変更されている箇所です。

「チャンクサイズ」は「256MiB」を指定しています。

sudo mdadm --create /dev/md/RAID4Array --level=raid4 --raid-devices=3 --chunk=128 --bitmap=/root/RAID4Array.bitmap --bitmap-chunk=256M --verbose /dev/sdd3 /dev/sde3 /dev/sdf3

2.アレイの作成確認

アレイを構成する物理ボリューム（パーティション）には、すでにファイルシステムが存在していると表示されます。
また、パーティションのサイズが表示されます。

問題なければ「y」キーを押し、「エンター」キーを押します。
中止する場合は、「n」キーを押し、「エンター」キーを押します。

3.アレイの作成完了

以下のように、作成結果が表示されます。

結果から以下のことが分かります。

「メタデータ」のバージョン「1.2」である
アレイは開始した
論理ボリュームのデバイスファイルは「/dev/md/RAID4Array」である

アレイは開始しているので、すぐに利用することができます。
以上で完了です。

アレイの確認

作成したアレイの確認を行います。
「ディスク」が「mdadm」に対応しているので、「ディスク」で確認を行います。

1.アレイの確認

「ディスク」を起動すると、以下のように作成したアレイが表示されます。
「RAID レベル」にアレイの種類や物理ボリュームの数が表示されます。
またビットマップが「オン」になっていることが分かります。

注意（2014/3/22）

「ディスク」で「ビットマップ」のオン・オフを切り替えると、内部ビットマップが有効になります。
現状「ディスク」は「外部ビットマップ」に対応していません。

2.物理ボリュームの確認

「RAID ディスク」画面を表示すると、アレイを構成する物理ボリュームの一覧が表示されます。

3.論理ボリュームのフォーマット

論理ボリュームは未フォーマットの状態なので、アプリから論理ボリュームを利用できるようにするには、通常のHDD同様にフォーマットを行う必要があります。

フォーマットの手順は通常のHDDと同じなため、省略します。

4.Nautilusからアクセス

Nautilusからアクセスします。
使い方は通常のボリューム（パーティション）と同じです。

サイドバーに作成したボリューム（パーティション）が表示されるので、クリックしてボリュームをマウントします。

これでファイルをコピーするなど、論理ボリュームを利用できるようになります。

論理ボリュームの確認

次はコマンドで論理ボリュームの情報を確認します。
以下のようになります。
赤字の箇所が今回指定したオプションで変更された設定です。

ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --detail /dev/md/RAID4Array
[sudo] password for ubuntu:
/dev/md/RAID4Array:
        Version : 1.2
Creation Time : Sat Mar 22 12:18:49 2014
     Raid Level : raid4
     Array Size : 204544 (199.78 MiB 209.45 MB)
Used Dev Size : 102272 (99.89 MiB 104.73 MB)
   Raid Devices : 3
Total Devices : 3
    Persistence : Superblock is persistent

Intent Bitmap : /root/RAID4Array.bitmap

    Update Time : Sat Mar 22 12:20:14 2014
          State : clean
Active Devices : 3
Working Devices : 3
Failed Devices : 0
Spare Devices : 0

     Chunk Size : 128K

           Name : vb-ubuntu1310:RAID4Array (local to host vb-ubuntu1310)
           UUID : 889b3b86:e79f1139:94a6156f:81936d17
         Events : 19

    Number   Major   Minor   RaidDevice State
       0       8       51        0      active sync   /dev/sdd3
       1       8       67        1      active sync   /dev/sde3
       3       8       83        2      active sync   /dev/sdf3

物理ボリュームの確認

最後に物理ボリュームの情報を確認します。以下のようになります。
赤字の箇所が今回指定したオプションで変更された設定です。

sdd3

ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --examine /dev/sdd3
/dev/sdd3:
          Magic : a92b4efc
        Version : 1.2
    Feature Map : 0x0
     Array UUID : 889b3b86:e79f1139:94a6156f:81936d17
           Name : vb-ubuntu1310:RAID4Array (local to host vb-ubuntu1310)
Creation Time : Sat Mar 22 12:18:49 2014
     Raid Level : raid4
   Raid Devices : 3

Avail Dev Size : 204672 (99.95 MiB 104.79 MB)
     Array Size : 204544 (199.78 MiB 209.45 MB)
Used Dev Size : 204544 (99.89 MiB 104.73 MB)
    Data Offset : 128 sectors
   Super Offset : 8 sectors
          State : clean
    Device UUID : ef992fcc:562006ca:8225e661:a45db732

    Update Time : Sat Mar 22 12:16:07 2014
       Checksum : d6abb17c - correct
         Events : 19

     Chunk Size : 128K

   Device Role : Active device 0
   Array State : AAA ('A' == active, '.' == missing)

sde3

ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --examine /dev/sde3
/dev/sde3:
          Magic : a92b4efc
        Version : 1.2
    Feature Map : 0x0
     Array UUID : 889b3b86:e79f1139:94a6156f:81936d17
           Name : vb-ubuntu1310:RAID4Array (local to host vb-ubuntu1310)
Creation Time : Sat Mar 22 12:18:49 2014
     Raid Level : raid4
   Raid Devices : 3

Avail Dev Size : 204672 (99.95 MiB 104.79 MB)
     Array Size : 204544 (199.78 MiB 209.45 MB)
Used Dev Size : 204544 (99.89 MiB 104.73 MB)
    Data Offset : 128 sectors
   Super Offset : 8 sectors
          State : clean
    Device UUID : 05238ccb:461b66b5:0d13851f:02258731

    Update Time : Sat Mar 22 12:16:07 2014
       Checksum : 7dd6ea6c - correct
         Events : 19

     Chunk Size : 128K

   Device Role : Active device 1
   Array State : AAA ('A' == active, '.' == missing)

sdf3

ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --examine /dev/sdf3
/dev/sdf3:
          Magic : a92b4efc
        Version : 1.2
    Feature Map : 0x0
     Array UUID : 889b3b86:e79f1139:94a6156f:81936d17
           Name : vb-ubuntu1310:RAID4Array (local to host vb-ubuntu1310)
Creation Time : Sat Mar 22 12:18:49 2014
     Raid Level : raid4
   Raid Devices : 3

Avail Dev Size : 204672 (99.95 MiB 104.79 MB)
     Array Size : 204544 (199.78 MiB 209.45 MB)
Used Dev Size : 204544 (99.89 MiB 104.73 MB)
    Data Offset : 128 sectors
   Super Offset : 8 sectors
          State : clean
    Device UUID : 1fdb5236:561e1cd9:87a6080a:4c95683e

    Update Time : Sat Mar 22 12:16:07 2014
       Checksum : 3b8a95c - correct
         Events : 19

     Chunk Size : 128K

   Device Role : Active device 2
   Array State : AAA ('A' == active, '.' == missing)

ビットマップファイルの確認

次に「ビットマップファイル」と「ライトインテントビットマップ」の情報を確認します。
以下のようになります。

ビットマップファイル

「Nautilus」で「/root」フォルダーを開くと、「RAID4Array.bitmap」が作成されています。

/root/RAID4Array.bitmap

赤字の箇所が今回オプションで設定した値です。

ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --examine-bitmap /root/RAID4Array.bitmap
        Filename : /root/RAID4Array.bitmap
           Magic : 6d746962
         Version : 4
            UUID : 889b3b86:e79f1139:94a6156f:81936d17
          Events : 19
Events Cleared : 19
           State : OK
       Chunksize : 256 MB
          Daemon : 5s flush period
      Write Mode : Normal
       Sync Size : 102272 (99.89 MiB 104.73 MB)
          Bitmap : 1 bits (chunks), 0 dirty (0.0%)

mdadm

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