物理ボリュームの詳細情報
物理ボリュームの詳細情報を表示します。コマンドのフォーマット
物理ボリュームの詳細情報を表示します。コマンドのフォーマットは以下のとおりです。
sudo mdadm --examine 物理ボリュームのデバイスファイル
物理ボリュームのデバイスファイルの指定について
物理ボリュームのデバイスファイルは複数指定可能です。複数指定する場合は、各物理ボリュームのデバイスファイルをスペースで区切ります。
globによる記述
物理ボリュームのデバイスファイルの指定は、globに対応しています。例えば以下の記述は、すべて同じ意味になります。
- /dev/sdd1 /dev/sdd2 /dev/sdd3
- /dev/sdd[123]
- /dev/sdd[1-3]
環境について
以下のサンプルで使用する論理ボリュームは、「RAID 0」アレイの論理ボリュームです。サンプルで使用するアレイの作成方法や内容は、以下を参考にしてください。
コマンドの実行例と表示される情報
コマンドの実行例と表示される情報の説明です。コマンド
以下のコマンドを実行します。
sudo mdadm --examine /dev/sdd1
コマンドの実行例
以下のような情報が表示されます。
ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --examine /dev/sdd1
/dev/sdd1:
Magic : a92b4efc
Version : 1.2
Feature Map : 0x0
Array UUID : 1dbd06ff:2de85242:c866b0e4:dfc93e3a
Name : vb-ubuntu1310:RAID0Array (local to host vb-ubuntu1310)
Creation Time : Tue Mar 18 21:02:50 2014
Raid Level : raid0
Raid Devices : 3
Avail Dev Size : 204784 (100.01 MiB 104.85 MB)
Data Offset : 16 sectors
Super Offset : 8 sectors
State : clean
Device UUID : 09f4b357:4b593f7c:e5c0e1cb:9c1a8a9b
Update Time : Tue Mar 18 21:02:50 2014
Checksum : 1d96425 - correct
Events : 0
Chunk Size : 32K
Device Role : Active device 0
Array State : AAA ('A' == active, '.' == missing)
ubuntu@vb-ubuntu1310:~$
/dev/sdd1:
Magic : a92b4efc
Version : 1.2
Feature Map : 0x0
Array UUID : 1dbd06ff:2de85242:c866b0e4:dfc93e3a
Name : vb-ubuntu1310:RAID0Array (local to host vb-ubuntu1310)
Creation Time : Tue Mar 18 21:02:50 2014
Raid Level : raid0
Raid Devices : 3
Avail Dev Size : 204784 (100.01 MiB 104.85 MB)
Data Offset : 16 sectors
Super Offset : 8 sectors
State : clean
Device UUID : 09f4b357:4b593f7c:e5c0e1cb:9c1a8a9b
Update Time : Tue Mar 18 21:02:50 2014
Checksum : 1d96425 - correct
Events : 0
Chunk Size : 32K
Device Role : Active device 0
Array State : AAA ('A' == active, '.' == missing)
ubuntu@vb-ubuntu1310:~$
物理ボリュームのデバイスファイル
最初の行には、物理ボリュームのデバイスファイルが表示されます。上記の出力結果では、「/dev/sdd1」が物理ボリュームのデバイスファイルです。
複数の物理ボリュームの情報を表示する時は、この物理ボリュームのデバイスファイルからどの物理ボリュームの情報が表示されているか確認します。
Magic
「メタデータ」の識別子です。MDメタデータ バージョン1系は「0xa92b4efc」です。
Version
「メタデータ」のバージョンや種類が表示されます。Feature Map
アレイの設定やアレイの状態を16進数で表現した数値が表示されます。Array UUID
アレイの「UUID」が表示されます。Name
アレイのホームホスト:アレイの名称が表示されます。デフォルトのホームホストと一致する場合は、「 (local to host ホームホスト)」と表示されます。
Creation Time
アレイが作成された日時が表示されます。Raid Level
アレイの種類が表示されます。Raid Devices
アレイを構成する物理ボリュームの数が表示されます。「スペアディスク」は含まれません。
実際にアレイで使用する物理ボリュームの数です。
例えば3つの物理ボリュームでアレイを作成し、その後1つの物理ボリュームを取り外しても、「Raid Devices」は「3」と表示されます。
言い換えればスロット数といったところでしょうか。
Avail Dev Size
アレイで使用できる物理ボリュームの容量が表示されます。Array Size
論理ボリュームの容量が表示されます。Used Dev Size
アレイに使用されている物理ボリュームの容量が表示されます。(物理ボリュームのサイズ)Data Offset
論理ボリュームのデータが保存されるセクターの開始位置が表示されます。Super Offset
「メタデータ」が保存されているセクターの開始位置が表示されます。Recovery Offset
修復が行われているセクターの開始位置が表示されます。「Data Offset」からの相対位置です。
State
物理ボリュームの状態が表示されます。Device UUID
物理ボリュームを一意に識別する「UUID」が表示されます。Internal Bitmap
「ライトインテントビットマップ」が保存されるセクターの開始位置が表示されます。「メタデータ」の終わりからの相対位置です。
Reshape pos'n
アレイの再形成を行っている位置(アドレス)が表示されます。「pos'n」は「position」のことです。
Delta Devices
再形成中の物理ボリュームの増減数が表示されます。また、変更前と変更後の物理ボリューム数が表示されます。
New Level
再形成後のアレイの種類が表示されます。New Layout
再形成中の新しいデータレイアウトが表示されます。データレイアウトは以下を参考にしてください。
New Chunksize
再形成後のアレイのチャンクサイズが表示されます。物理ボリュームの設定
物理ボリュームの設定が表示されます。値 | 概要 |
---|---|
write-mostly | ライトモーストリーが設定されています。 |
Update Time
アレイに変更が加えられた日時が表示されます。言い換えると、「メタデータ」の更新日時です。
Checksum
「メタデータ」のチェックサムが表示されます。「メタデータ」のチェックサムが正しい場合、チェックサム値の後に「correct」と表示されます。
「メタデータ」のチェックサムが正しくない場合、チェックサム値の後に「expected」と表示されます。
Events
「メタデータ」が更新された回数が表示されます。Layout
データレイアウトが表示されます。データレイアウトは以下を参考にしてください。
Chunk Size
「チャンクサイズ」が表示されます。Rounding
「Linear」アレイの「丸め係数」が表示されます。Device Role
物理ボリュームのアレイでの役割が表示されます。値 | 概要 |
---|---|
Active device 数値 | 物理ボリュームはアレイで使用されています。 数値はアレイ内での位置を表します。 |
spare | 物理ボリュームはスペアディスクです。 |
フォルティーディスクについて
「フォルティーディスク」は上記の表では「Active device 数値」で表示されます。数値はアレイで使用されていた時のアレイ内での位置になります。
Array State
アレイの状態が表示されます。左から1文字ずつアレイのスロットの状態が表示されます。
値 | 概要 |
---|---|
A | スロットに物理ボリュームが割り当てられています。 |
. | スロットに物理ボリュームが割り当てられていません。 |