Ubuntu mdadm その39 - ライトビハインドを設定してRAID 1アレイを作成する・作成したアレイの確認と利用

アレイを作成する環境について

ここでは例として、「ライトビハインド」を有効にして「RAID 1」アレイを作成します。

アレイを構成する物理ボリュームは以前紹介しているので、「RAID 1アレイを作成する基本的なコマンドの例」を参考にしてください。

他のオプションと併用できますが、他のオプションは省略しています。

ライトインテントビットマップ

「ライトビハインド」を有効にするには、「ライトインテントビットマップ」を有効にする必要があります。

「ライトインテントビットマップ」を有効にしてアレイを作成する例は、「内部ライトインテントビットマップを有効にしてRAID 1アレイを作成する」や「外部ライトインテントビットマップを有効にして」を参考にしてください。

ここでは「内部ビットマップ」で「ライトインテントビットマップ」を有効にしています。

ライトモーストリー

「ライトビハインド」の対象となる物理ボリュームは、「ライトモーストリー」が設定された物理ボリュームです。

「ライトモーストリー」を設定してアレイを作成する例は、「ライトモーストリーを設定してRAID 1アレイを作成する」を参考にしてください。

ライトビハインドを設定してRAID 1アレイを作成する

「RAID 1」アレイを作成します。
アレイ作成時に「ライトインテントビットマップ」を設定しています。

1.コマンドの実行

「端末」を起動し、以下のコマンドを実行します。

ここでは、3つのパーティション「/dev/sdd2」、「/dev/sde2」、「/dev/sdf2」から「RAID 1」アレイを作成します。

各オプションの意味は、「RAID 1アレイを作成するコマンドの説明」を参考にしてください。
赤字の箇所は、「RAID 1アレイを作成する基本的なコマンドの例」から変更されている箇所です。

sudo mdadm --create /dev/md/RAID1Array --level=raid1 --raid-devices=3 --bitmap=internal --write-behind=2048 --verbose /dev/sdd2 --write-mostly /dev/sde2 /dev/sdf2

2.アレイの作成確認

アレイを構成する物理ボリューム（パーティション）には、すでにファイルシステムが存在していると表示されます。
また、パーティションのサイズが表示されます。

問題なければ「y」キーを押し、「エンター」キーを押します。
中止する場合は、「n」キーを押し、「エンター」キーを押します。

3.アレイの作成完了

以下のように、作成結果が表示されます。

結果から以下のことが分かります。

「メタデータ」のバージョン「1.2」である
アレイは開始した
論理ボリュームのデバイスファイルは「/dev/md/RAID1Array」である

アレイは開始しているので、すぐに利用することができます。
以上で完了です。

アレイの確認

作成したアレイの確認を行います。
「ディスク」が「mdadm」に対応しているので、「ディスク」で確認を行います。

1.アレイの確認

「ディスク」を起動すると、以下のように作成したアレイが表示されます。
「RAID レベル」にアレイの種類や物理ボリュームの数が表示されます。
また「ビットマップ」が「オン」になっています。

2.物理ボリュームの確認

「RAID ディスク」画面を表示すると、アレイを構成する物理ボリュームの一覧が表示されます。
「ライトモーストリー」を設定した物理ボリュームには、「書き込み多発」と表示されます。

3.論理ボリュームのフォーマット

論理ボリュームは未フォーマットの状態なので、アプリから論理ボリュームを利用できるようにするには、通常のHDD同様にフォーマットを行う必要があります。

フォーマットの手順は通常のHDDと同じなため、省略します。

4.Nautilusからアクセス

Nautilusからアクセスします。
使い方は通常のボリューム（パーティション）と同じです。

サイドバーに作成したボリューム（パーティション）が表示されるので、クリックしてボリュームをマウントします。

論理ボリュームの確認

次はコマンドで論理ボリュームの情報を確認します。
以下のようになります。
赤字の箇所が今回指定したオプションで変更された設定です。

ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --detail /dev/md/RAID1Array
/dev/md/RAID1Array:
        Version : 1.2
Creation Time : Wed Mar 19 22:58:46 2014
     Raid Level : raid1
     Array Size : 102272 (99.89 MiB 104.73 MB)
Used Dev Size : 102272 (99.89 MiB 104.73 MB)
   Raid Devices : 3
Total Devices : 3
    Persistence : Superblock is persistent

Intent Bitmap : Internal

    Update Time : Wed Mar 19 23:59:35 2014
          State : active
Active Devices : 3
Working Devices : 3
Failed Devices : 0
Spare Devices : 0

           Name : vb-ubuntu1310:RAID1Array (local to host vb-ubuntu1310)
           UUID : 5c70b372:c677a5e1:54d78227:14c71c65
         Events : 17

    Number   Major   Minor   RaidDevice State
       0       8       50        0      active sync   /dev/sdd2
       1       8       66        1      active sync writemostly   /dev/sde2
       2       8       82        2      active sync writemostly   /dev/sdf2

物理ボリュームの確認

次に物理ボリュームの情報を確認します。以下のようになります。
赤字の箇所が今回指定したオプションで変更された設定です。

sdd2

ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --examine /dev/sdd2
/dev/sdd2:
          Magic : a92b4efc
        Version : 1.2
    Feature Map : 0x1
     Array UUID : 5c70b372:c677a5e1:54d78227:14c71c65
           Name : vb-ubuntu1310:RAID1Array (local to host vb-ubuntu1310)
Creation Time : Wed Mar 19 22:58:46 2014
     Raid Level : raid1
   Raid Devices : 3

Avail Dev Size : 204672 (99.95 MiB 104.79 MB)
     Array Size : 102272 (99.89 MiB 104.73 MB)
Used Dev Size : 204544 (99.89 MiB 104.73 MB)
    Data Offset : 128 sectors
   Super Offset : 8 sectors
          State : clean
    Device UUID : 54ffa397:09d63bcd:e437983b:10265348

Internal Bitmap : 8 sectors from superblock
    Update Time : Wed Mar 19 23:47:48 2014
       Checksum : 2fbcb22c - correct
         Events : 17

   Device Role : Active device 0
   Array State : AAA ('A' == active, '.' == missing)

sde2

ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --examine /dev/sde2
/dev/sde2:
          Magic : a92b4efc
        Version : 1.2
    Feature Map : 0x1
     Array UUID : 5c70b372:c677a5e1:54d78227:14c71c65
           Name : vb-ubuntu1310:RAID1Array (local to host vb-ubuntu1310)
Creation Time : Wed Mar 19 22:58:46 2014
     Raid Level : raid1
   Raid Devices : 3

Avail Dev Size : 204672 (99.95 MiB 104.79 MB)
     Array Size : 102272 (99.89 MiB 104.73 MB)
Used Dev Size : 204544 (99.89 MiB 104.73 MB)
    Data Offset : 128 sectors
   Super Offset : 8 sectors
          State : clean
    Device UUID : 0b076fdb:6f22414f:0fe668bb:46bd2558

Internal Bitmap : 8 sectors from superblock
          Flags : write-mostly
    Update Time : Wed Mar 19 23:47:48 2014
       Checksum : 85304bac - correct
         Events : 17

   Device Role : Active device 1
   Array State : AAA ('A' == active, '.' == missing)

sdf2

ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --examine /dev/sdf2
/dev/sdf2:
          Magic : a92b4efc
        Version : 1.2
    Feature Map : 0x1
     Array UUID : 5c70b372:c677a5e1:54d78227:14c71c65
           Name : vb-ubuntu1310:RAID1Array (local to host vb-ubuntu1310)
Creation Time : Wed Mar 19 22:58:46 2014
     Raid Level : raid1
   Raid Devices : 3

Avail Dev Size : 204672 (99.95 MiB 104.79 MB)
     Array Size : 102272 (99.89 MiB 104.73 MB)
Used Dev Size : 204544 (99.89 MiB 104.73 MB)
    Data Offset : 128 sectors
   Super Offset : 8 sectors
          State : clean
    Device UUID : c3819ba4:ccce94c8:725128e3:a442db82

Internal Bitmap : 8 sectors from superblock
          Flags : write-mostly
    Update Time : Wed Mar 19 23:47:48 2014
       Checksum : 1a256384 - correct
         Events : 17

   Device Role : Active device 2
   Array State : AAA ('A' == active, '.' == missing)

物理ボリュームの確認（ビットマップ・ライトビハインド）

次に「ライトインテントビットマップ」と「ライトビハインド」の情報を確認します。
以下のようになります。
赤字の箇所が今回オプションで設定した値です。

sdd2

ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --examine-bitmap /dev/sdd2
        Filename : /dev/sdd2
           Magic : 6d746962
         Version : 4
            UUID : 5c70b372:c677a5e1:54d78227:14c71c65
          Events : 17
Events Cleared : 17
           State : OK
       Chunksize : 64 MB
          Daemon : 5s flush period
      Write Mode : Allow write behind, max 2048
       Sync Size : 102272 (99.89 MiB 104.73 MB)
          Bitmap : 2 bits (chunks), 0 dirty (0.0%)

sde2

ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --examine-bitmap /dev/sde2
        Filename : /dev/sde2
           Magic : 6d746962
         Version : 4
            UUID : 5c70b372:c677a5e1:54d78227:14c71c65
          Events : 17
Events Cleared : 17
           State : OK
       Chunksize : 64 MB
          Daemon : 5s flush period
      Write Mode : Allow write behind, max 2048
       Sync Size : 102272 (99.89 MiB 104.73 MB)
          Bitmap : 2 bits (chunks), 0 dirty (0.0%)

sdf2

ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --examine-bitmap /dev/sdf2
        Filename : /dev/sdf2
           Magic : 6d746962
         Version : 4
            UUID : 5c70b372:c677a5e1:54d78227:14c71c65
          Events : 17
Events Cleared : 17
           State : OK
       Chunksize : 64 MB
          Daemon : 5s flush period
      Write Mode : Allow write behind, max 2048
       Sync Size : 102272 (99.89 MiB 104.73 MB)
          Bitmap : 2 bits (chunks), 0 dirty (0.0%)

mdadm

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